来店客減少で強みを発揮できないアパレルショップ。コストを抑えた売上挽回策とは?

2022年4月13日

小売業

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2021年06月23日

質問

インターネット購入の浸透などで、新型コロナの感染が落ち着いた後も来店客が増えない「アパレル・ミロク」。資金的な余裕がない中で売上を増やすために、あなたが店主なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

オンラインでのコーディネート相談を始める。

パターン2

ネットで洋服以外のものを売っていく。

パターン3

レンタルサービスを始める。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
アパレル
スマホ

来店客が増えなくても好調?!

「アパレル・ミロク」は、ある地方都市に10年以上前からあるアパレルショップです。最近は、来店客は増えていないようですが、何故か店主には余裕が見られます。半年前がウソのようです。

半年前 ~来店客が増えずに苦戦するアパレルショップ

アパレル・ミロクは、直接話しながらお客様の望みにピッタリ、いやそれ以上の服をおススメするところが強みとなっています。40~50代の女性客が多く、コツコツとメルマガ会員を集めて新作や割引情報なども配信してきました。以前の経営は比較的順調で、開業当時からのお得意様も多くいます。

ところが、新型コロナ禍の影響で来店客が落ち込んでしまいました。それをカバーすべく洋服のネット販売も始めたものの、見えないお客様相手では思うように売上が上がっていません。

その後、感染が落ち着いたことで来店客が戻ってくると見込んでいたのですが、お客様の中には他社のネットからの購入に慣れてきたことなどもあってか、思ったように来店客が増えずに苦戦しています。
 
ある日の午後、アパレル・ミロクの店主が、お隣の酒屋さんと話しています。

酒屋 最近、どうだい?
店主 ちょっと苦戦してるわ。お宅のお店は順調で、うらやましいわ
酒屋 自宅でお酒を飲む人が増えてるからね。スーパーとかとはちょっと違った品ぞろえで、“ちょっとおしゃれな家飲みのお供に!”ってコンセプトで、お得意様におススメ商品情報なんかをメルマガとかでお伝えしてたら、意外と評判なんだよね
店主 じゃあ、売上が増えたんじゃないの?
酒屋 はははは
店主 でも、うちはなかなか難しいわ。お客様にメルマガは送ってるんだけど、メルマガだと伝えきれないわ……
酒屋 そうなのかい?
店主 やっぱりうちは、直接話しながらお客様の望みにピッタリ、いやそれ以上の服をおススメするってところが強みだもの。来店されるお客様が減ってしまって、それができてないから……

質問

インターネット購入の浸透などで、新型コロナの感染が落ち着いた後も来店客が増えない「アパレル・ミロク」。資金的な余裕がない中で売上を増やすために、あなたが店主なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

オンラインでのコーディネート相談を始める。

パターン2

ネットで洋服以外のものを売っていく。

パターン3

レンタルサービスを始める。

アパレル・ミロクの店主が選んだのはパターン1でした。無料のオンラインツールを使い、個々のお客様に合わせて、店にある洋服と、お客様の手持ちの洋服とのコーディネートについて相談に乗ることにしたのです。

オンラインショップで、洋服以外のもの(化粧品など)を売っていくことは一つの方法かもしれません。しかし、アパレル・ミロクの場合、すでに行っている洋服のネット販売も伸びていないため、単に洋服以外のものを加えても売上増につながりそうもありません。対面接客という自店の強みを活かせる何か良い方法はないものでしょうか。

購入より安上がりなため、最近は洋服をレンタルする人も増えています。しかし、レンタルできるだけの洋服をそろえる必要があるなど、新しいサービスを始めるには、それなりにコストもかかりますので、資金的な余裕がないアパレル・ミロクには難しそうです。また、レンタルを始めることで購入客が減ってしまうおそれもあります。

娘との会話がヒントに

早々に店じまいをしたアパレル・ミロクの店主は、「どうしたものか」と考えながら帰宅しました。そして、テレビを付けると丁度、洋服のレンタルサービスの特集が流れてきました。

店主 洋服のレンタルサービスなんて、あるのね
そうよ。1カ月いくらとかで決まっていて、何着かレンタルできたりするの。お母さんの店もレンタルサービスとか始めてみたら?
店主 レンタルするだけの洋服をそろえるには、コストがかかるのよ。そんな資金的余裕はないわ。ほんと、新規顧客の獲得って大変なのよ。できるだけコストをかけずに、売上を増やせるといいんだけど
やっぱり今はネットを使うといいと思うんだけど……
店主 実際に来店して頂けるお客様が減って、ネット販売も始めたんだけど、うちは直接お客様とお話ししながら望みをつかんでいくっていうのが強みだから、ネット販売は苦戦してるのよ
洋服以外のものもネットで販売したらいいんじゃないかと思ったけど、そういうことではなさそうね
店主 お客様と直接お話しできないとね……

娘はそれを聞いて少しの間考え込んでいたのですが……。

そしたら、無料のネットツールを使うっていうのはどうかしら? オンラインで話す程度でいいなら、無料のオンラインツールがいっぱいあるから
店主 そうなの?
慣れると、電話のような感じで簡単よ
店主 例えば、お客様の好みをお聞きして、店の服をビデオでお見せしながら、お客様の手持ちの服とのコーディネートを提案するなんてこともできるかしら?
大丈夫よ
店主 そうか。その方法なら、お客様の手持ちの服もオンラインで見せてもらえるから、コーディネートを提案しやすいかも!
うん、きっとそうだよ!
店主 無料なら、やってみる価値はあるわね。試してみるわ。オンラインツールの使い方、教えてもらえる?
もちろんよ!


これをきっかけに検討を進めた結果、アパレル・ミロクはオンラインでのコーディネート相談を始めることになりました。

まずはメルマガ会員の方にオンラインコーディネート相談サービスの案内を出してみることにしました。「お客様と話をしながらお客様の望みにピッタリ、いやそれ以上の服をおススメする」というアパレル・ミロクの強みを十分に発揮できることが分かりました。

他の手持ちの服についてもオンラインであれば、それを見ながらコーディネートの相談に乗ることができ、来店されたとき以上にアパレル・ミロクのいろいろな服をおススメできるケースも少なくないため、服の販売数の増加に貢献しました。お客様が友人や家族などと一緒に相談に参加されることもあり、徐々に新規顧客が増えました。さらにお客様が口コミで新しいお客様にアパレル・ミロクのサービスを紹介してくれるなど、新規顧客開拓のコストを抑えつつ、売上を増やしていくことができました。

ワンポイント解説

「新規顧客開拓のコスト」

新規顧客の開拓は売上増に大きく貢献するかもしれません。しかし、新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストがかかるとも言われ、何かと資金がかかりがちです。いかにコストをかけずに顧客を開拓するかが重要で、本記事のメルマガ会員を通じて口コミを広げるといったことはその一例です。

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