顧客がテレワーク環境に移行したことで苦境が続くカフェ。売上改善への挑戦とは?
2022年7月13日
質問
新型コロナ発生以後、テレワークの進展などもあって来店客が減り、売上が低迷する「ダイニングカフェ・ミロク」。少しでも売上を改善できる方法はないものかと悩んでいます。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
パターン1
オンライン飲み会用のデリバリーを行う。
パターン2
割引クーポンを配布する。
パターン3
店舗の外でテイクアウト用の飲み物や食べ物を売る。
この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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店内飲食以外の新たな収益源
「ダイニングカフェ・ミロク」は、新型コロナウイルス感染症の発生以後、メイン顧客のテレワークが進展したことなどもあって売上が低迷する中で、少しでも売上を改善できる方法はないものかと模索していましたが、取り組みを始めた新たな収益源が何とか軌道に乗り始め、オーナー兼店長やスタッフもホッとしています。
しかし、1年前は売上改善策に悩んでいたのです。
1年前 ~テレワークの進展などで苦境が続くカフェ
ダイニングカフェ・ミロクは、都内で複数の店舗を営業するダイニングカフェ・チェーンです。日中はランチやコーヒー・スイーツ、夜はディナーやアルコール類も提供しており、新型コロナ前の経営は順調でした。しかし、新型コロナ以降、客足が遠のいてしまい、売上が低迷してしまっています。近隣の会社ではテレワークが進んでいることで、以前はメインの利用客であったビジネスパーソンも店の周辺を訪れる機会が減っています。
ある日の夜、カフェの店長がスタッフと話しています。
スタッフ | 今日も、お客様が少なかったですね |
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店長 | そうね。コロナ前は、夜は歓送迎会や懇親会で団体のお客様の予約も多かったのにね…… |
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スタッフ | 今は団体で外食っていうのは、なかなか難しいでしょうからね |
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店長 | 家で食べるとしても、たまには外食気分を味わいたいって人は少なくないと思うんだけどな…… |
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売上が伸びない中、何とか他に収益源を作れないものかと店長たちは悩んでいました。
質問
新型コロナ発生以後、テレワークの進展などもあって来店客が減り、売上が低迷する「ダイニングカフェ・ミロク」。少しでも売上を改善できる方法はないものかと悩んでいます。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
オンライン飲み会用のデリバリーを行う。
パターン2
割引クーポンを配布する。
パターン3
店舗の外でテイクアウト用の飲み物や食べ物を売る。
ダイニングカフェ・ミロクの店長が選んだのはパターン1でした。オンライン飲み会用のデリバリーを行うことにしたのです。これがダイニングカフェ・ミロクの新たな収益源となったのですが、どんな方法をとったのかと言うと……
割引クーポンを配布する。店の周辺を訪れる顧客が多ければ、効果的な方法の一つでしょう。しかし、以前はメインの利用客であったビジネスパーソンも店の周辺を訪れる機会が減っており、割引があったとしても、お客様が現在以上に増えるとは考えにくいでしょう。
店舗の外でテイクアウト用の飲み物や食べ物を売る。これも、一つの方法でしょう。しかし、以前はメインの利用客であったビジネスパーソンも店の周辺を訪れる機会が減っており、テイクアウトを導入しても利用客が少ない可能性が高そうです。
新たな収益源に気付いたきっかけは、何故か自宅で盛り上がる娘を見たことだった?!
「何かいい策はないかしら」、と考えながらダイニングカフェ・ミロクの店長は、帰宅しました。
娘は、最近購入したノートパソコンを前に、スイーツを食べながら、友達とオンラインでおしゃべりをしています。
娘 | このスイーツ、美味しいわね~ |
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友達X | やっぱり、これにして良かったわね |
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友達Y | 限定品なのよ |
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友達Z | 限定品って、いいわよね~ |
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しばらくすると、おしゃべりが終わった娘が、話しかけてきました。
娘 | あ、お母さん。お帰りなさ~い |
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店長 | この前買ったパソコン、早速、活用してるわね |
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娘 | 前のパソコンより、通信速度も速いし、助かるわ~ |
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店長 | ずいぶん楽しそうだったじゃない |
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娘 | そうなの。いつも楽しいんだけど、今日は、スイーツの話で盛り上がっちゃったわ |
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店長 | そんなに美味しかったの? |
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娘 | うん。美味しかったし、実は、皆で同じモノを買って、食べてたの |
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店長 | 何か、限定品がなんとかって、盛り上がってたわね |
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娘 | コロナ禍じゃなければ、皆で一緒に集まって食べるんだけど、今回は難しいねって言ってたの。でも、オンラインでも皆で同じモノ食べながら話をしてると、ばっちりコミュニケーションが取れてとっても盛り上がるんだって分かったよ! |
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このとき店長は思いました。
店長の心の声 | <同じモノを食べながら話せば、オンラインでももっとコミュニケーションが取れて盛り上がる……。だったら会社の懇親会だってできるんじゃ?> |
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職場での会議や研修もオンラインで行われる状況では、会議や研修後の懇親会の開催もされないことが少なくありません。知り合いの会社数社の人事総務部の方々にも聞いてみたところ、次のような反応でした。
知り合いA | 懇親会の費用を会社で負担するのもやぶさかではないんですよね。でも、ある程度の人数が一緒の懇親会を開催するのは感染対策上問題があったり……。オンラインでうまくできればいいんだけど |
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知り合いB | 社内のコミュニケーションを活発にするためにも、懇親会を実施したいのはやまやまなんですが、オンラインで懇親会をやっても盛り上がらないんですよね。だったら同じモノを食べながらやった方が盛り上がるかも |
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知り合いC | テレワークが進んだことで、皆が出社するタイミングで懇親会を実施しようとしてもなかなか日程が合わなかったりして、実施に至っていないんです |
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こうした諸々の意見を聞いた店長は思ったのです。
店長の心の声 | <やっぱり、出社する・しないに関わらず実施できるオンラインの懇親会なら需要がありそう> |
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オンライン会議・研修後にオンラインでの懇親会も開催してもらえれば、店内飲食以外の新たな収益源になりそうです。店長は明日一番に、スタッフに相談しようと思いました。
その後の検討の結果、ダイニングカフェ・ミロクではオンライン飲み会用のデリバリーを行うことにしました。まずは知り合いの会社数社の人事総務担当の方々などに打診し、好感触を得ました。そして、オンライン飲み会の幹事からの一括注文を数日前までに受け、最初は全員に同じ軽食を届けるかたちで実施してみることにしたのです。各お客様への宅配には宅配業者を使い、宅配代は利用する会社の負担としました。また、アルコールなどの飲み物については各自で選んでもらい、軽食と一緒に届けることにしました。一括注文とすることで、一度に大量の注文が入ることも期待できます。
その後はいくつかのメニューから事前に選択してもらうようにするなど、より柔軟に対応できるデリバリー・パーティーサービスへと進化させていきました。
こうしてダイニングカフェ・ミロクでは、アフターコロナも見据え、テレワーク環境に合った新サービスの提供を開始したのでした。
ワンポイント解説
「テレワーク環境に合った新サービスの提供」
コロナ禍で一気に進んだテレワークは、アフターコロナにおいても、程度の差はあれ続いていくことでしょう。テレワーク環境に合ったサービスとして、どんなものが提供できるかを検討し、新たな収益源を作っていくことを検討してみると良いでしょう。
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