人手不足解決のヒントは、囚われないことにあった!?
2023年9月23日
質問
「ミロク・データエントリー」は、簡単なデータ入力の作業を代行している会社で、入力やダブルチェックの作業はパートタイマーが出社して社内で行っています。業務拡大に伴い、最近は入力等の作業時間が増えており、人手不足の状況になっています。この状況で、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
パターン1
一人一人の勤務時間を増やすことで、人手不足を解消する。
パターン2
出社しなくても良いなど、柔軟な勤務形態にする。
パターン3
楽しく明るい雰囲気を表現した職場の動画をSNSに投稿して、新規パートタイマーの募集を行う。
この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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人手不足への対応が進む
簡単なデータ入力の作業を代行している「ミロク・データエントリー」は、入力やダブルチェックの作業を行うパートタイマーの人手不足に悩んでいましたが、最近は人手不足への対応が進んでいるようです。
数カ月前 ~パートタイマーでの勤務が短期となってしまう現状
ミロク・データエントリーは、簡単なデータ入力やダブルチェックの作業はパートタイマーが出社して社内で行ってきています。パートタイマーの作業時間は固定されていて、朝からの半日と午後からの半日、あるいはその両方の3パターンになっています。このところの業務拡大に伴い、最近は入力等の作業時間が増えています。ただし、入力等の作業を担っているパートタイマーの人たちはと言うと、親との同居が減り、子育てが忙しくなるなど、出社して一定時間働くことが難しくなる人も少なくありません。運動会、文化祭、保護者会の仕事などに参加したくても、融通が利きづらいことに不満もあるようです。こうしたことから、仕事から離れてしまう人が多く現れるようになりました。せっかく仕事に慣れて作業効率が上がってきた頃に退職されてしまうことが多くあります。
ミロク・データエントリーのパートタイマーの多くは、フルタイムで働くことを希望しておらず、業務の合計時間を一定時間内に抑えたいという事情などもあります。また、今のパートタイマーは会社の近隣から来ている人が多いのですが、近隣だけから人を集めるのも限界が来ているようです。
社長はこの人手不足の状況にどう対応したら良いのか悩むようになっています。
質問
「ミロク・データエントリー」は、簡単なデータ入力の作業を代行している会社で、入力やダブルチェックの作業はパートタイマーが出社して社内で行っています。業務拡大に伴い、最近は入力等の作業時間が増えており、人手不足の状況になっています。この状況で、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
一人一人の勤務時間を増やすことで、人手不足を解消する。
パターン2
出社しなくても良いなど、柔軟な勤務形態にする。
パターン3
楽しく明るい雰囲気を表現した職場の動画をSNSに投稿して、新規パートタイマーの募集を行う。
これは、パートタイマーの人数を増やさずに、人手不足を補おうとする方法です。一人一人の勤務時間が長くなるため、より長い時間の労働を希望するパートタイマーにとっては良い方法ですが、そもそもミロク・データエントリーのパートタイマーの多くは、フルタイムで働くことを希望していない人が多いため、勤務時間を長くしようとすると退職する人が増えるリスクもあります。
ミロク・データエントリーの社長が選択したのはこの方法でした。出社しなくても良いなど、柔軟な勤務形態にすることにしたのですが、どういうことかと言うと……
これは、労働における最大の課題である職場での人間関係が良いことをアピールして新規人材の募集を図る方法です。ただし、出社して入力等の作業を行う状況では、近隣からパートタイマーを集めることとなりがちですが、近隣だけから人を集めるのには限界が来ているようです。
きっかけは退職を願い出たパートタイマーの方との会話
様々なパートタイマーの方々との間でムードメーカー的存在の人(Aさん)が退職を願い出てきたときに、社長は本当に残念に思い、引き留めるために会議室で事情を聴くことにしました。
社長
続けて働いていただけると、本当に助かるのですが、なんとかなりませんか?
ありがとうございます。でも最近、子供が幼稚園で熱を出すことが何度かあり、他の方々にその日の私の担当分をお願いすることが申し訳なくて……
Aさん
社長
みなさん、気にされておられないと思いますよ。会社としても調整さえしていただければ、問題ありませんよ
私の気が収まらなくて……。それに子供の病気以外にも、本当は子供の体育大会や文化祭にも顔を出したいのですが、そういうことは他の方々とも重なってしまうことが多く、調整しきれないと思うんです
Aさん
社長
わが社の業務は、仕事が前後しても大きな問題にはならないから、いつも定刻に出勤して定刻に退社していただかなくてもいいかもしれません
とは言っても、出社して作業するとなると、どうしても時間の融通は利きにくくなります。急な用事が生じたりもしますし。もっとフレキシブルに働けるといいのですが……
Aさん
ミロク・データエントリーでは、長年にわたり働く場所と働く時間を固定した状態を続けてきており、これまでは特段の問題も生じていなかったため、見直しをすることもありませんでした。しかし、人手不足の問題に直面し、社長は、もっとフレキシブルに働ける環境作りが必要だと認識しました。
ミロク・データエントリーが受けているデータ入力は、社内でなければできないものではありません。また、その日でなければならないこともまず生じません。その後検討を進め、自宅で入力やダブルチェックの業務を実施できる体制作り、勤務時間は問わず入力処理件数などに応じた報酬制度など、自宅で好きな時間に作業してもらえる仕組み作りを進めていきました。
思わぬ効用
作業場所と作業時間に囚われないフレキシブルな勤務形態は、パートタイマーの方々には歓迎されました。そしてこうした対策により、パートタイマーの方々が退職されることがめっきり減りました。パートタイマーは近隣の人たちが中心でしたが、場所の制約がなくなったことで、より多くの人を集めることができるようになりました。
こうしてミロク・データエントリーでは、人手不足への対応が進んでいったのでした。
「フレキシブルな勤務形態」
働く場所や働く時間などが制約となって人手不足が解消しないことがあります。働く場所や働く時間などをフレキシブルにできないか検討してみると、人手不足解消のヒントがみつかるかもしれません。
セミナー情報
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