有利子負債?無利子負債? 貸借対照表の「負債」と損益計算書の「支払利息」の対応

2026年3月13日

質問

自社の貸借対照表と損益計算書を見ていた社長が、負債の総額が減っているにもかかわらず、利息の支払いが増加していることに気づきました。利率は変わっていないようなのですが、今回の支払利息増加の原因として最も当てはまるのは次のうちどれでしょうか?

パターン1

借金が増加した一方で、未払いの仕入代金が大きく減少したため。

パターン2

未払いの仕入代金が増加した一方で、借金が大きく減少したため。

パターン3

未払いの仕入代金が減少した一方で、借金はほとんど変わっていないため。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

利息アップ
電卓

貸借対照表の「負債」と損益計算書の「支払利息」の対応についての理解が進んだ

「ミロ社」は、部品を製造している会社です。以前は貸借対照表の「負債」と損益計算書の「支払利息」の対応がよく分からなかった社長ですが、最近は対応関係の理解が進んでいます。


社長

当期は支払利息の金額が増えているが、これは……によるもので、異常なものではなさそうだね

以前 ~なんで利息の支払いが増えているの?

現社長は最近抜擢されたばかりの新米社長です。ある日の会議で、自社の貸借対照表と損益計算書を見ていたところ、ある事に気が付きました。利息の支払いが増加しているのです。


社長

なんで、こういう数値になっているんだ?

どこの部分ですか?


社員A


社長

利息の支払いの部分だけど、ずいぶん増えているようだね

そうですね


社員B


社長

でも、貸借対照表の負債の金額は、前期と比べると減っているようだよ。利率が上がったとは聞いてないが……

はい


社員A


社長

なんで、こういう事になっているのか。負債が減っているのに利息の支払いが増えるなんて、よく分からないなぁ

ミロ社の場合、貸借対照表の負債のうち主なものとして、未払いの仕入代金である「買掛金」、金融機関などからの借金である「借入金」などが挙げられます。

質問

自社の貸借対照表と損益計算書を見ていた社長が、負債の総額が減っているにもかかわらず、利息の支払いが増加していることに気づきました。利率は変わっていないようなのですが、今回の支払利息増加の原因として最も当てはまるのは次のうちどれでしょうか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

借金が増加した一方で、未払いの仕入代金が大きく減少したため。

パターン2

未払いの仕入代金が増加した一方で、借金が大きく減少したため。

パターン3

未払いの仕入代金が減少した一方で、借金はほとんど変わっていないため。

パターン1は、まさに支払利息が増加した原因を表しています。借金(借入金)は「有利子負債」と呼ばれ、利息の支払いが発生します。一方、未払いの仕入代金(買掛金)は負債ではありますが利息の支払いが発生しません。今回のケースでは、利息が発生する借入金(有利子負債)が増えたことで、支払利息が増加したのです。

未払いの仕入代金(買掛金)は負債であっても利息の支払いが発生しないため、買掛金が増えても利息の支払いは増えません。一方、借入金は「有利子負債」で、減少すれば支払利息も減るのが通常です。

未払いの仕入代金(買掛金)は利息がかからない「無利子負債」、借金(借入金)は利息がかかる「有利子負債」です。借入金の金額が変わっていないので、支払利息が増えた原因には合致しません。

有利子負債とは? ~負債には利息が「かかるもの/かからないもの」があった

経理部長が説明をしてくれました。

社長。ちょっとよろしいでしょうか。今期は新しい設備を購入するために借入金が増えました。一方で、前期は期末に大口の仕入れがあったため買掛金が多かったのですが、今期はそれがなかったので買掛金が大きく減りました。その結果、負債全体の金額は減ったのです


経理部長


社長

負債というと借金だろ? 負債だったらどっちにしても利息を支払う必要があるんじゃないかい?

負債と聞いてそんなイメージを持たれるかもしれませんが、負債にもいろいろあるんですよ。例えば、社長はずっと営業畑におられましたよね


経理部長


社長

そうだよ

製品を掛けで売ることがあったと思います


経理部長


社長

売掛金だろ

そうです。それは、資産になるんですが、利息を支払ってもらうものではありませんよね


経理部長


社長

そりゃそうだ

逆に言うと、掛けで買った側は買掛金に、つまり負債となりますが、それも利息の支払いはともないません


経理部長


社長

なるほど。負債には全部利息がかかると思い込んでしまっていた! 負債と言っても、利息が“かかる”ものと“かからない”ものとがあるということだったのか

そうなんです。利息の支払いをともなう負債のことを、有利子負債というんです


経理部長


社長

有利子負債かぁ

先ほど申し上げましたとおり、今期は前期と比べて、有利子負債である借入金が増えた代わりに、有利子負債ではない負債(つまり、無利子負債)である買掛金が大きく減ったので、負債全体の金額は減ったんです


経理部長

図1


社長

なるほど。負債全体として残高が減ったが、有利子負債が増えたから、利息の支払いが増えたということだね

そのとおりです。負債と言っても有利子負債と無利子負債とがありますので、支払利息の増減を分析するときには、「負債全体」の増減と比べるよりも「有利子負債」の増減と比べた方が有効なんです。有利子負債が増えると利息の支払いも増えますので、気を付ける必要があります


経理部長

経理部長から説明を受けた社長。社長となったからには、もう少し会計の勉強をする必要があるなぁ、と思いました。

有利子負債と無利子負債

有利子負債とは利息の支払いをともなう負債のことを言います。例えば、銀行からの借入金や社債などが該当します。これに対して、買掛金や未払金などのように利息の支払いをともなわない負債(無利子負債)もあります。企業の財務状況を分析する際には、有利子負債の増減が重要な指標となります。有利子負債が増えると利息の支払いが増加し、企業の利益に影響を与えるからです。

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