コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

 経営システム及び経営ノウハウのサービス提供を主たる業務としている当社にとって、経営体制及び内部統制システムを整備・構築し、必要な施策を実施することはコーポレート・ガバナンスへの取組みの基本認識であり、経営の最重要課題の一つであると位置づけております。

 今後も当社のみならず当社子会社のガバナンスの強化に努め、当社グループの企業価値向上へ邁進してまいります。

コーポレート・ガバナンス体制について

(1) 現状の体制の概要

 当社は、監査役設置会社であり、会社法による法定の機関として、株主総会、取締役会、監査役、監査役会及び会計監査人を設置しております。また、以下の模式図に表した体制にて、当社グループのコーポレート・ガバナンス体制を維持し、機能強化を図っております。

<コーポレート・ガバナンス体制についての模式図>

(2) 経営管理組織の状況

 会社の意思決定機関としては、取締役会、経営会議を設けております。取締役会については、定例で毎月1回又は2回開催しており、法令定款で定める事項及び「取締役会規則」で定める経営上の重要事項について審議決定します。直前事業年度における取締役会の開催状況は、定期開催17回、臨時開催1回となっております。経営会議については、代表取締役社長(最高経営責任者)が主催し、常勤取締役及び代表取締役社長が指名する者により構成され、原則として毎月2回開催しております。経営会議は、迅速な経営判断や業務運営管理に関する方針及び取締役会に付議する事項の事前審議等を目的とした重要な意思決定機関として設けております。直前事業年度における経営会議の開催状況は、定期開催25回、臨時開催1回となっております。

 また、監督機能のより一層の充実を図ることを目的として、社外取締役及び社外監査役を選任し、取締役会において適宜助言、指導を受けております。社外取締役及び社外監査役につきましては、客観的、中立的な視点から経営に対する提言をいただき、一般株主の利益にも配慮した意思決定が行われるよう、全員を独立役員に指定し、コーポレート・ガバナンスのより一層の強化に努めております。

(3) 各種委員会の状況

① 指名・報酬諮問委員会

 当社は、取締役の指名及び報酬等に係る取締役会の機能の独立性、客観性と説明責任を強化することで、コーポレート・ガバナンス体制の一層の充実を図るため、取締役会の諮問機関として、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置しております。

 各委員会は取締役会の諮問に応じて原則として年1回開催し、以下の事項について審議し、取締役会に対して答申を行います。

  • 取締役の選任及び解任(株主総会決議事項)に関する方針
  • 代表取締役の選定及び解職に関する事項
  • 役付取締役の選定及び解職に関する事項
  • 取締役の個人別の報酬等の内訳の決定に関する方針
  • 前各号を決議するために必要な規則、手続等の制定、変更、廃止
  • その他、各委員会が審議が必要と認めた事項

 取締役会は、各委員会の答申内容を尊重して決定を行う旨を各委員会規則において規定しております。

 委員構成は各委員会ともに社内取締役2名、独立社外取締役4名及び独立社外監査役1名の7名で構成し、過半数を独立社外取締役としており、定時株主総会以降に開催される取締役会において決定いたします。

 なお、指名・報酬諮問委員会の構成等は以下のとおりです。

【指名諮問委員会】
 委員長である取締役会長是枝伸彦のほか、取締役副会長鈴木正徳、独立社外取締役五味廣文、独立社外取締役北畑隆生、独立社外取締役石山卓磨、独立社外取締役山内暁、独立社外監査役但木敬一を構成員としております。指名諮問委員会は、取締役の選任及び解任に関する方針、次期取締役の選任、代表取締役及び役付取締役の選定、並びにスキル・マトリックス案について諮問を受け、取締役会へ答申いたします。

【報酬諮問委員会】
 委員長である代表取締役社長是枝周樹のほか、取締役副会長鈴木正徳、独立社外取締役五味廣文、独立社外取締役北畑隆生、独立社外取締役石山卓磨、独立社外取締役山内暁、独立社外監査役中原広を構成員としております。報酬諮問委員会は、当社における取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針等について諮問を受け、取締役会へ答申いたします。

② コンプライアンス委員会

 当社グループのコンプライアンス体制を推進するため、2023年5月にコンプライアンス委員会を設立いたしました。コンプライアンス委員会は、原則として年2回開催し、コンプライアンスの推進に係る方針・施策・教育等に関する事項について審議したうえで、その結果を取締役会に報告し、また取締役会に代えて、内部統制会議において、又はリスクの主管部門に対し、助言・提言を行います。

 委員は、社内取締役3名、常勤監査役1名、独立社外取締役1名、独立社外監査役2名及び執行役員6名の13名で構成し、定時株主総会以降に開催される取締役会において決定いたします。

 委員長である取締役副会長(コンプライアンス推進担当)鈴木正徳のほか、取締役常務執行役員石川哲士、取締役常務執行役員髙田栄一、常務執行役員佐藤順一、常勤監査役牧野博史、独立社外取締役山内暁、独立社外監査役但木敬一、独立社外監査役中原広並びに営業、開発・サポート、経営管理及び社長直轄部門から幅広く選抜した執行役員を構成員としております。

③ サステナビリティ委員会

 当社は、サステナビリティ経営の推進を目的としてサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、原則として年2回開催し、サステナビリティに関する方針・マテリアリティの設定・見直し及びKPIの設定・進捗管理、活動結果の評価と評価に基づく次年度の目標・取組み等について協議いたします。

 サステナビリティ委員会で検討・協議した方針や課題等は経営会議及び取締役会へ付議または報告し、取締役会はこのプロセスを定期的に監督し、必要に応じて対応の指示を行います。

 委員長である代表取締役社長是枝周樹及び副委員長である取締役副会長鈴木正徳のほか、関係部門の担当執行役員や部門長等を構成員としております。

(4) 取締役・監査役候補者の指名や経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針や手続き

 取締役候補者の指名を行うにあたっては、当社の業務に精通し、業界内外における豊富な人脈及び幅広い知識を兼ね備え、適切な意思決定や経営判断を行い得る人物を選定し、指名諮問委員会の審議を経たうえで取締役会において検証し決定することとしております。また、社外取締役の指名を行うにあたっては、独立性判断基準として、東京証券取引所が定める独立役員の判断基準に加え、会社内の指揮系統や慣行にとらわれない社外の公正な立場から意見及び助言・批判を提起することができ、かつ大所高所からの意見、広い見識、市場の声に敏感な感覚、出身分野における豊富な知識及び経験を有する人物を選定し、指名諮問委員会の審議を経たうえで取締役会において検証し決定することとしております。なお、独立社外取締役には、原則、他社での経営経験を有する者を含めることとしております。

 監査役候補者の指名を行うにあたっては、財務・会計・法務知識、リスク管理能力、経営監督の能力に優れている人物を監査役会の同意を得て取締役会で検証し決定することとしております。社外監査役候補者の指名を行うにあたっては、前述の能力を備えていることに加え、大所高所からの意見、広い見識、出身分野における豊富な知識及び経験を有する人物を監査役会の同意を得て取締役会で検証し決定することとしております。

 経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっては、取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を決議しております。当該取締役会の決議に際しては、あらかじめ決議する内容について報酬諮問委員会へ諮問し、答申を受けております。取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の内容は次のとおりです。

① 基本方針

 当社の取締役の報酬は、多様で優秀な人材を獲得し継続的企業価値の更なる向上を目指すため、上場企業全体及び同業他社の報酬水準を考慮した役割及び職責等に相応しい水準として決定することを基本方針とし、固定報酬、業績連動報酬及び非金銭報酬により構成する。なお、社外取締役は、独立した立場から経営の監視・監督機能を担うことから、固定報酬のみ支給するものとする。

② 基本報酬の個人別の報酬等の額の決定に関する方針

 当社の取締役の基本報酬は、月例の固定報酬であり、役位、経験及び担当業務を考慮しながら総合的に勘案して決定する。

③ 業績連動報酬等並びに非金銭報酬等の内容及び額又は数の算定方法の決定に関する方針

 業績連動報酬等は、成果・業績に対して処遇されるものであり、事業全体から得られる利益と連動するものとする。具体的には、業績連動報酬に係る指標として連結経常利益を採用し、単年度の業績を勘案し決定するものとし、その支給方法は、その総額を月額に按分し毎月金銭報酬として支給する。

 非金銭報酬は、基本的に退任時に譲渡制限を解除することを約した譲渡制限付株式報酬とし、役位、経験、担当業務、金銭報酬との割合及び株価を総合的に考慮して付与株数を決定し、毎年一定時期に支給する。

④ 金銭報酬の額、業績連動報酬等の額又は非金銭報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針

 取締役の基本報酬、業績連動報酬及び非金銭報酬の割合については、役位、経験、担当業務及びその業績を考慮しながら総合的に勘案して決定するものとする。

⑤ 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する事項

 個人別の基本報酬及び業績連動報酬額については、報酬諮問委員会を中心に取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を審議、決定し、取締役会の承認のもと代表取締役社長、取締役会長及び経営管理本部長(CFO)にその決定を一任し、受任者は当該方針に基づき協議し決定するものとする。

 また、個別の取締役に付与する非金銭報酬である譲渡制限付株式の数は、取締役会において決定するものとする。

(5) 社外取締役の役割・機能

 当社の社外取締役は、会社内の指揮系統や慣行にとらわれない社外の公正な立場からの意見及びコンプライアンス体制の確立にあたって第三者の立場からの助言・批判等を提起する役割を担っております。

 なお、社外取締役の直前事業年度における主な活動状況は以下のとおりです。

 五味廣文氏は直前事業年度開催の取締役会18回の全てに出席しました。同氏は大蔵省(現・財務省)・金融庁の要職及び他社の社外役員を歴任する中で培った金融行政、経営戦略、ガバナンスに関する高度な知識と豊かな経験を有し、取締役会では当該視点から積極的に意見を述べており、意思決定の妥当性・適正性を担保するための適切な役割を果たしております。また、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の委員として、直前事業年度の指名諮問委員会4回、報酬諮問委員会2回に出席し、客観的・中立的立場で当社の役員候補者の選定や役員報酬等の決定過程における監督機能を果たしております。

 北畑隆生氏は直前事業年度開催の取締役会18回のうち17回に出席しました。同氏は経済産業省の要職及び他社の社外役員を歴任し、大学学長として培った新規事業開発、人材育成、ガバナンスに関する高度な知識と豊かな経験を有し、取締役会では当該視点から積極的に意見を述べており、意思決定の妥当性・適正性を担保するための適切な役割を果たしております。また、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の委員として、直前事業年度の指名諮問委員会5回、報酬諮問委員会2回の全てに出席し、客観的・中立的立場で当社の役員候補者の選定や役員報酬等の決定過程における監督機能を果たしております。

 石山卓磨氏は直前事業年度開催の取締役会18回の全てに出席しました。同氏は学識経験者、弁護士、大学学長として培った法務、会計分野に関する高度な知識と豊かな経験を有し、取締役会では当該視点から積極的に意見を述べており、意思決定の妥当性・適正性を担保するための適切な役割を果たしております。また、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の委員として、直前事業年度の指名諮問委員会5回、報酬諮問委員会2回の全てに出席し、客観的・中立的立場で当社の役員候補者の選定や役員報酬等の決定過程における監督機能を果たしております。

 山内暁氏は2023年6月29日就任以降の直前事業年度開催の取締役会14回のうち13回に出席しました。同氏は学識経験者として培った会計分野に関する高度な知識と豊かな経験を有し、取締役会では当該視点から積極的に意見を述べており、意思決定の妥当性・適正性を担保するための適切な役割を果たしております。また、指名諮問委員会、報酬諮問委員会及びコンプライアンス委員会の委員として、就任以降の直前事業年度の指名諮問委員会3回、報酬諮問委員会2回、コンプライアンス委員会1回の全てに出席し、客観的・中立的立場で当社の役員候補者の選定や役員報酬等の決定過程、コンプライアンス体制における監督機能を果たしております。

(6)監査役監査の状況

 監査役会は、社外監査役2名を含む監査役3名により構成され、原則として毎月1回開催しております。

 監査役は、「監査役会規則」、「監査役監査基準」、「内部統制システムにかかる監査の実施基準」等に基づき取締役会・経営会議等の重要会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧を行い、取締役の職務執行、取締役会等の意思決定、内部統制システムの整備状況、競業取引等について監査しております。

 監査役は、必要に応じて取締役等及び会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、また、内部監査部門との連携を密に行い、必要に応じて説明を求めております。

 また、子会社については、子会社の取締役及び監査役等と意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて子会社から事業の報告を受けております。

 なお、常勤監査役牧野博史氏は、長年にわたり当社営業部門及び管理部門の業務に携わり、また内部監査室長を務め、豊富な経験とコンプライアンス、リスク管理に関する相当程度の知見を有しております。社外監査役但木敬一氏は、検事、法務事務次官、検事総長等を歴任し、現在は弁護士として活動しており、法律やコンプライアンス関する豊富な知識と見識を有しております。社外監査役中原広氏は、国税庁長官や金融機関の代表役員を含む要職を歴任し、税務・金融等に関する幅広い知見と経営経験を有しております。

(7)内部監査の状況

 内部監査室は、部門責任者を含む室員6名で構成され、社長直轄組織として、他の管理部門、業務部門から独立した形で設置しております。

 内部監査室は、「MJSグループ内部監査規程」並びに年間の業務監査計画に基づいて、本社部門、支社及び子会社を対象に、業務活動全般における合理性や効率性、情報管理・リスク管理体制の有効性に重点を置いた監査の実施、財務報告に係る内部統制の評価を実施しております。会計監査において内部統制上の課題が発見された場合には、会計監査人と連携を行い、改善状況についてモニタリングを行っております。

 内部監査室は、定期的に取締役会及び監査役会へ報告を行い、また取締役、監査役及び会計監査人との連携を密に行うことで、監査の実効性や効率性の向上を図っております。

(8)会計監査の状況

当社の法定会計監査は三優監査法人に依頼しており、必要に応じて相談のうえ、助言をいただいております。継続監査期間、監査業務を執行していただいた公認会計士の氏名、会計監査業務に係る補助者の構成等は、以下のとおりです。

継続監査期間 36年間
監査業務を執行した公認会計士の氏名 所属する監査法人
山本 公太
玉井 信彦
三優監査法人
同上
会計監査業務に係る補助者の構成 公認会計士
7名
その他
6名

(9) 監査役の機能強化に向けた取組み状況

 当社は社外監査役2名全員を独立役員として指定し届け出ております。その独立社外監査役の選任理由等については、本報告書の「Ⅱ.1.機関構成・組織運営等に係る事項」の【監査役関係】をご覧ください。

 なお、社外監査役の直前事業年度における主な活動状況は以下のとおりです。

 但木敬一氏は直前事業年度開催の取締役会18回及び監査役会14回の全てに出席し、また指名諮問委員会及びコンプライアンス委員会の委員として直前事業年度の指名諮問委員会5回、コンプライアンス委員会1回の全てに出席し、議案の審議に対して適宜発言を行っております。

 中原広氏は2024年6月27日に第47回定時株主総会で新たに選任され就任したため、直前事業年度における活動はありません。

(10)取締役・監査役の責任限定について

 当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には損害賠償責任を限定する旨の契約(責任限定契約)を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令で定める最低責任限度額であります。

なお、コーポレート・ガバナンスに関する詳細情報は「コーポレート・ガバナンス報告書」をご覧ください。