決算書の読み方 ~当期純利益が減少している時に注意すべきこととは?

2026年2月13日

質問

スーパーを営む「ミロク商店」では、スタッフの努力により前期と比べて営業利益と経常利益が増加しました。ところが、当期純利益は減少しています。当期純利益が減少した要因として最も大きなものは次のどれだと思いますか?

パターン1

人件費が必要以上にかかっていること。

パターン2

余分な広告宣伝費がかかっていること。

パターン3

自然災害による在庫廃棄損が発生していること。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

矢印
買い物

新店舗の経営が軌道に乗り、当期純利益も順調に増加!

食品や日用品などのスーパーを営む「ミロク商店」では、営業部長を中心にスタッフの努力により新店舗の経営は好調で、当期純利益も伸びています。ただ、新店舗を始めた頃は、当期純利益が思ったほど伸びず、経営陣は困っていたのです。

営業利益と経常利益は増えているのに、当期純利益が減っているのはなぜ?

ある日の経営会議で新任の営業部長を交えて当期の業績について話し合った時のこと。当期純利益が伸び悩んでいることについて社長や役員から意見が出ました。

新店舗の評判は良いようだな


社長


営業部長

おかげさまで、営業利益経常利益は前期と比べて増えています

一つ気になるのは、営業利益、経常利益は増えているのに、当期純利益が減っていることだ。要因として何か思いあたることはないのかね?


社長


営業部長

そうですね……

人件費の管理に問題はないでしょうか?


役員Bさん

いや,広告宣伝費の管理が問題ではないでしょうか?


役員Cさん

それよりも,在庫に問題はないでしょうか?


役員Dさん

どれが最も大きな要因なのだろうか?


社長

う~ん


一同

質問

スーパーを営む「ミロク商店」では、スタッフの努力により前期と比べて営業利益と経常利益が増加しました。ところが、当期純利益は減少しています。当期純利益が減少した要因として最も合致するものは次のどれだと思いますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

人件費が必要以上にかかっていること。

パターン2

余分な広告宣伝費がかかっていること。

パターン3

自然災害による在庫廃棄損が発生していること。

小売業の場合、人件費は営業利益の計算時に販売費及び一般管理費(販管費)の一部として計上されることが通常であり、人件費が影響しているなら、営業利益も減少することが予想されます。今回は前期と比べて営業利益は増加しており、人件費が最も大きな要因とは考えづらいです。

広告宣伝費は営業利益の計算時に販売費及び一般管理費(販管費)の一部として計上されることが通常であり、広告宣伝費が影響しているなら、営業利益も減少することが予想されます。今回は前期と比べて営業利益は増加しており、広告宣伝費が最も大きな要因とは考えづらいです。

正しいのはパターン3です。自然災害に伴う在庫廃棄損は、当期純利益を計算する時点で特別損失として計上することがあります。金額が大きくなると当期純利益も減少します。

営業利益と経常利益は増えているのに、当期純利益が減っている原因を探る

営業部長は、会計に詳しい友人に話を聞いてみることにしました。


営業部長

うちの会社で新店舗を始めてから利益が思ったほど伸びていなくて困っていてね

状況をもう少し詳しく教えてくれないか


友人


営業部長

新店舗の経営は順調だし、営業利益や経常利益も前期と比べて増えているが、当期純利益は減少しているんだ

なるほど。特別損失が影響しているようだな


友人


営業部長

特別損失?

そうだ。特別損失には、自然災害による損失、不要な設備の処分による損失等があるね


友人


営業部長

どれも、一時的に発生しているものだよな?

確かに、当期の臨時的な事象で生じた損失と言われるね。でも、似たような状況が頻繁に見られたり、規模が大きかったりする場合には何らかの問題が起きている可能性があるから注意した方が良いぞ


友人

営業部長は、友人から、特別損失が生じた要因を詳しく調査して、改善策を検討するようにと助言をもらいました。

自社で特別損失の発生要因の調査と改善策の実行へ

早速、営業部長は購買部長などと協力して、過去数年の決算情報を参考に、特別損失の発生要因を調査してみました。調べてみると、自然災害により在庫が水浸しになったことが直接の原因ではありますが、商品の廃棄に伴う損失が多額になったのは発注や在庫管理が弱いことが背景にあることに気付きました。営業部長らが店長に詳しく確認したところ、滞留していた在庫も少なくなかったことが見えてきました。店舗では、売り切れを回避するために過剰な仕入が行われており、売れずに賞味期限を迎えた商品が多額にあったことが分かってきました。

今回の調査をきっかけに、ミロク商店では、商品の需要予測や仕入計画の見直し、在庫管理の強化が進められることになりました。また、災害に備えて保険にも入ることとなり、その後の特別損失の発生可能性の低減、そして当期純利益の改善につながったのです。

当期純利益が減少している時の対策

営業利益と経常利益が増加しているのに、当期純利益が減少している時には、特別損失が影響している可能性があります。特別損失は、企業の通常の営業活動とは直接関係なく、臨時的・例外的に発生した損失を計上するものであり、似たような状況が頻繁に起きたり、規模が大きくなったりする場合には何らかの問題を抱えているケースがあるので注意が必要です。特別損失が発生している場合にはその要因を調査し、繰り返し発生しないように管理を強化したり、経営上のリスクを抑える仕組みを整えることが、安定した利益獲得のために重要です。

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