電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した
様々なデジタルソリューションを多数ご用意しています。
経理業務効率化について取材していただきました。
是非ご参考にお読みください。
マンガで解説:「AI」で手作業を削減 経理がやるべき“真のデジタル化”の正体:経理部門の負担を減らす自動化とは?
政府による業務デジタル化の推進や法改正を受けて、社内システムの見直しや運用ルールの変更をしたにもかかわらず、経理担当者の負担は増すばかりだ。一体なぜなのか。解決策となる「AIの活用」とは。
「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)が2023年10月にスタートしたことに加え、「電子帳簿保存法」の猶予期間が同年12月31日で終了した。法改正に合わせてシステムのアップデートやルールを見直したものの、従業員の負担は増えるばかりだ。中小企業のA社でも、経理担当者は「慣れれば楽になるんじゃなかったのか」と不機嫌モード。「領収書を適格請求書(インボイス)として受け取る場合、記載事項が満たされていないものは仕入税額控除の算入ができなくなる」など、経費精算のルールが複雑化し、業務に影響が出ている。
混乱の背景にあるのは「そもそも人の判断が必要な経理業務が山積み」という根本的な問題だ。目視で確認する項目が増え、仕訳の判断が複雑になり、紙とデータが混在する――このような状況では、業務改善は難しい。
根本的な改善の鍵となるのは、経理業務のデジタル化だ。中小企業でも実現可能で、単に紙の書類をPDFファイルに置き換えるだけではなく、大きな業務改善が見込める「AI(人工知能)技術を生かしたデジタル化」とはどのようなものか。マンガを交えて解説する。
負担が増え続ける経理業務
デジタル化の波はバックオフィス業務にも徐々に押し寄せており、請求書をデータ化する動きがある。電子帳簿保存法に合わせて、PDF形式で請求書を送付する傾向も広まりつつある。まだ紙の請求書を送る企業もあるが、自社でPDF化してデータ管理すれば紙とデータの混在は避けることはできる。しかし請求書をPDF化しただけでは「データを目視で確認し、手作業でシステムに入力、仕訳をする」といった作業はなくならない。本質的には紙を使った作業と大差がなく、負担軽減につながっていないといえる。
「インボイス制度が始まって、思った以上に項目の確認に時間がかかるようになったなあ。企業によって書類のファイル形式もレイアウトも違うから、登録番号がどこに書かれているのかを見つけるだけでも一苦労ね……」とぼやくA社の経理担当者。件数が少なければまだしも、大量のインボイスを1件ずつ「人が」「目視で」確認するとなると大変だ。
仕訳起票の負担も増した。登録番号と記載要件の確認が必要で、「税率や税額が不記載」などの不備がある場合は、取引先に再交付を依頼することになる。消費税処理のパターン分けがこれまでよりも複雑になることも問題だ。従来の消費税処理は取引内容に基づいて課税、非課税、不課税に分ければよかったが、インボイス制度施行後は免税取引の経過措置期間中の場合を含め、消費税処理を適切に実施しなければならない。
解決策は「人が介在する作業」のデジタル化
こうした状況を根本から解決するのが、経理業務そのもののデジタル化だ。紙の書類をPDFに置き換えるだけではなく、その後に続く「PDFファイルを目視で確認する」「手作業で入力する」といった、人が介在する作業のデジタル化も推し進めなければならない。
ポイントは「データ連携」と「経費精算のシステム化」だ。具体的には、以下が実行できる体制を整える必要がある。これらが実現すれば経理担当者の仕訳入力の負担軽減が期待できる。
- 会計システムへのさまざまな取引明細データの入力を自動化する
- 経費精算をシステム化して、従業員自身に入力・申請してもらう
手作業を排除して経理業務を効率化することで、人件費削減、ヒューマンエラーや属人化の防止、制度改正時の速やかな対処といった効果が期待できる。現在の制度は「企業がすでに経理業務をデジタル化していれば、その延長線上で法令への準拠も難しくないはず」といった考えから、デジタル化ありきの設計になっている。今後の制度改正にもスムーズに対処できるようにするには、早いうちにデジタル化を進めておくのが有効だ。
データ連携でここまで自動化できる
では、ここからはミロク情報サービスが提供するデジタル化のサービスを例に具体的に何ができるようになるのかを見ていこう。
データ連携について、クラウドサービス「AI仕訳」を例に説明する。AI仕訳はAI技術を用いて仕訳を自動化するサービスだ。銀行口座の入出金明細やクレジットカード取引履歴、EC(Eコマース:電子商取引)サイトの購入履歴、電子請求書、POS(販売時点情報管理)レジ端末などからデータを取り込んで、それらを補足する情報を自動で入力し、仕訳をする。
AI仕訳のAIモデルは財務システムと連携し、過去の仕訳データを学習することで、勘定科目を予測する。利用するほど学習が進み、仕訳の精度も向上していく。仕訳内容を辞書として登録する機能もあり、辞書を登録すれば初めから一定の精度で予測可能だ。
社内に業務をアウトソース
経費精算のデジタル化は、従業員が紙の経費申請書に領収書を添えて経理担当者に提出する従来の方式から、ワークフロー機能を持つシステムを利用して申請できるようにすることが有効となる。ミロク情報サービスの「Edge Tracker 経費精算」は、従業員が受領した領収書を添えて経費を申請できるクラウドサービスだ。紙の場合は撮影やスキャンによってデータ化し、電子データの場合はそのまま添付して提出できる。レシートから金額や支払先名の読み取りもでき、ICカードやクレジットカードのデータ取り込み機能や経路検索機能も備わっている。これまで経理担当者が実施していた確認業務の一部を従業員に「アウトソース」するイメージだ。
「従業員にアウトソース」することは、従業員の負担を増やすことではない。領収書に不備がある場合、経理部門からの連絡を受けて修正対応をするのは従業員自身だ。申請のタイミングでチェックする仕組みを設けることは、申請に伴うミスを減らし、余計なやりとりを削減することにつながる。経費精算のデジタル化によって、外出先などオフィス外でも手軽に申請できるようになることもメリットだ。電子化することで承認ルートが可視化されるため、申請がどこまで進んでいるか、どこで止まっているかが一目瞭然になる。それに加え、「3万円以上は部門長の承認が必要」のような条件分岐を設定することも可能だ。さらに領収書のデータは仕訳データにひも付けて保存するため、原本の確認もしやすくなる。経理部門は確認作業が減らせることに加え、経費申請をリアルタイムで確認できることによって、月末に作業が集中することを回避可能だ。
AI監査で担当者の負担を軽減
帳簿チェックのプロセスもデジタル化し、入力間違いや処理漏れを削減することもできる。帳簿チェックを支援するツールとしてミロク情報サービスが提供するのが「MJS AI監査支援」だ(図1)。「著増減監査」「マイナス残高監査」「仕訳明細監査」「仕訳重複監査」「消費税区分監査」という5つの機能でチェックを自動化し、見落としを防いでくれる。
例えば仕訳明細監査機能は、事前に設定した仕訳監査ルールに該当するデータを自動でピックアップする。これは法制度に基づくルールに加えて、企業ごとのルールをあらかじめ定義し、自動チェックするものだ。仕訳重複監査機能では、誤って二重に起票したものを検出可能だ。日付、勘定科目、金額が全て一致しているなど、重複と見なす条件を指定して該当する仕訳を抽出する。
これらの機能を活用すれば、仕訳を目視で1つずつ確認せずに、「監査が必要なもの」としてシステムがピックアップした仕訳のみを確認すればよくなる。確認後のステータス管理も可能で、業務全体の負担軽減に役立つ。
データ保存と電子インボイスで実現するデジタル化
これらのツールを活用して経理業務のデジタル化を進める中で生じるのが、「電子化したデータをどこに保存するのか」という問題だ。保存先を用意する際は、電子帳簿保存法にのっとったシステムを採用することも考慮しなければならない。ミロク情報サービスの「MJS e-ドキュメントCloud」は証憑(しょうひょう)書類の保管と電子契約機能を搭載したデータ保存サービスで、電子帳簿保存法に準拠している。インボイスを含む国税関係書類の他、議事録などの一般書類も保存できる。証憑書類の保管先として単体で利用することも、経費精算をはじめMJSの財務システムや会計ソフトウェアと連携させて利用することも可能だ。
最後に、インボイスにも触れておこう(図2)。紙の書類をデータ化して手作業を排除する次のステップは、規定のデータフォーマットを用いて企業間でデータを授受する体制を整えることだ。これには電子インボイス(データ形式のインボイス)の発行・受領サービス「Edge Tracker 電子請求書」を活用できる。これは電子インボイスの送受信およびインボイスの電子化のためのサービスだ。販売管理、請求管理システムからデータをアップロードするだけで、簡単に電子請求書を発行できる。電子文書をやりとりするための標準仕様「Peppol」で電子インボイスを授受すれば、発行側も受領側も扱うデータ項目が同じになるため、受け取った請求書のデータ変換や手入力をすることなく、そのままシステムに取り込むことも可能になる。
AI技術の実用化は経理分野でも進んでおり、本稿で紹介したように仕訳や監査の自動化において活躍が期待できる。ただしAI技術にこれらの作業を全て任せるというよりも、あくまで人が実施する業務のサポートとして活用することが望ましく、「AIで経理の仕事がなくなる」という話ではない。今後デジタル化がさらに進むことはあっても、アナログに戻ることは考えづらい。デジタル化の波に完全に乗り遅れる前に、少しでも早いうちから経理業務のデジタル化を検討するのが賢明だ。
※掲載されている内容は記事公開日時点での情報です。電子帳簿保存法、インボイス制度に関する最新情報は国税庁のWebサイトをご確認ください。
提供:株式会社ミロク情報サービス
アイティメディア営業企画/制作:アイティメディア編集局
- 掲載されている内容は記事公開日時点での情報です。電子帳簿保存法、インボイス制度に関する最新情報は国税庁のWebサイトをご確認ください。
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記事はTechTargetジャパン/キーマンズネットより許諾を得て掲載しています。
転載元:TechTargetジャパン/キーマンズネット(TechTargetジャパン/キーマンズネット2024年3月27日掲載記事より転載。)