小さなことから始めよう! 経理業務を効率化することで変わることとは?
2021年12月3日
質問
事務担当者が毎月同じような仕訳入力をしている「みろく食品」。仕訳入力にかける時間をできるだけ減らすために、どのような方法を選択したでしょうか?
パターン1
入力業務を会計事務所に任せる。
パターン2
自動仕訳機能を探す。
パターン3
まとめられる仕訳はまとめてしまう。
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社長の懐刀として働くベテラン事務員
「みろく食品」は、付近のスーパーや飲食店に冷凍食品を卸している会社です。従業員100名余りの会社で、経理処理も給与計算も事務関係の仕事は事務担当者2人が一手に担っています。2人は長年みろく食品に勤めるベテラン社員ですが、マンネリ化を許さずにイキイキと働いています。
事務担当者A | 社長、今月の売上が10%減少しています。あと5%売上が減少すると赤字になってしまいます。経費の削減を考えましょう |
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社長 | しかし何から削ればいいんだろう |
事務担当者B | 経費削減は、広告宣伝費や交際費であれば、社長の裁量で決めているところがあるので、短期的に削減しやすいようですよ |
社長 | そういえば付き合いで出してた広告がいくつかあったなぁ。ありがとう、あまりダメージがない範囲で削れるところを考えてみるよ。早め早めに手が打てるようになってありがたいね |
事務担当者B | 固定費と変動費を科目ごとに設定したのが大きかったです。補助科目も細かく設定していろいろなことが分かるようになってきました |
事務担当者A | 感覚でつかんでいたことも、ちゃんと数字に表れていると自信が持てるようになりましたしね |
これまで目の前の作業に追われていたAさんとBさんですが、今では仕訳入力の時間が減ったことで、決算の分析や対応策の検討などに時間を割けるようになっています。知識として知っていても実践できていなかったことにチャレンジしたり、制度改正を調べたり対応を検討したりする時間も確保できています。
最近では、社内で営業担当者が行っていた業務を自宅や外出先でも行えるように、AさんとBさんが社長と一緒になって検討を進め、実現に至りました。従業員の働く環境が改善し、会社全体が明るい雰囲気に包まれています。
1年前 ~毎月同じ仕訳を入力する事務担当者
月初めのある日、事務担当者のAさんは、預金の動きを仕訳入力していました。売掛金の多くが月末に入金されるため、入力件数はなかなかの数にのぼります。一つ一つは単純なものですが入力にそれなりの時間がかかるので、時間が押して月初めはいつも残業です。
事務担当者A | なんだかなー |
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事務担当者B | どうしたの? Aさん |
事務担当者A | 手がもっと早く動けばいいのにと思って。仕訳はパッと頭の中に思い浮かぶんだけど、手の方が追い付かないんだよね |
事務担当者B | でも入力しないことには始まらないし |
Aさんは、毎月の単純な仕訳入力のためにテンキーをひたすらたたき続けることに虚しい気持ちを抱えていました。
事務担当者A | 他にもやることはあるのに…… |
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事務担当者AさんとBさんは、単純な作業はなるべく早く終わらせて、もう少し業務をスピーディーに行いたいと考えています。
質問
事務担当者が毎月同じような仕訳入力をしている「みろく食品」。仕訳入力にかける時間をできるだけ減らすために、どのような方法を選択したでしょうか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
入力業務を会計事務所に任せる。
パターン2
自動仕訳機能を探す。
パターン3
まとめられる仕訳はまとめてしまう。
確かに仕訳入力を会計事務所にすべてお任せしている企業もあります。しかし、この場合1か月分まとめて資料を渡して作業を依頼することが多く、自社で行うよりも月次決算に時間がかかります。せっかく自計化しているのですから、別の方法を考えた方が良さそうです。
みろく食品が選んだのはパターン2でした。自動仕訳機能とはどのようなものでしょうか。
同じ月で同じ科目であれば、場合によってはそれらを合計して一件の仕訳で済ませてしまうことがあるかもしれません。しかし後から確認しづらくなるのであまり良いことではありません。旧税率適用のリース料がある場合や、出張に係る旅費交通費も国内と国外とで消費税区分が異なる等、消費税の区分も考慮しなければなりません。
家事と仕事が楽になるコツ
残業を終えた事務担当者Aさんは帰宅してから夕食の用意をし始めました。疲れた体でひととおり用意を終えたところで、夫と子どもがダイニングに集まり、家族で夕食を摂ります。
子ども | やったー、今日はカレーライスだ |
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夫 | 良かったなぁ |
事務担当者A | 良かったなぁじゃなくて、あなたが用意してくれてもいいんですけどね |
夫 | まあまあ。僕が料理は苦手だって知っているだろう? 忙しい時はあらかじめ言ってくれれば適当に買って用意しておくよ |
事務担当者A | ありがとう。大変な時はそうするね |
夫は料理はからきしですが、他の家事は積極的にやってくれます。Aさんは夫にあてこすったことを反省しつつ片付けを始めました。
Aさんが一人で洗い物をしている時、ふと顔を上げると、1年前に購入したロボット掃除機が床を移動しているのが目に留まりました。
事務担当者A | そういえばちょっと前までこんなもの無かったのに |
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Aさんは自分の手元を見ました。皿に付着したカレーの汚れをごしごし擦っていたAさんは、先日同僚のBさんが食洗器を購入したらものすごく便利だったと話していたことを思い出しました。こんなに一生懸命油汚れと戦っているのが何だか間抜けに思えてきたAさんは、早速夫に食洗器購入を打診し、翌日思い切って据え置きの食洗器を購入しました。
いざ使ってみると、なんて楽なのでしょう! 綺麗に汚れが落ちるのか少し不安がありましたが、想像以上にピカピカになりました。
その後Aさんは楽できるところは楽をしよう、と考えました。夫に話したところ、夫も自分が担当している家事の自動化を考え、布団乾燥機を買ってきました。布団を干すのは地味に重労働だったらしいので夫も喜んでいます。Aさんのストレスは軽減されましたし、家族で語らう時間が増えました。以前より作業が楽になったために子どもが家事を手伝うようになったのも嬉しい誤算でした。
今まで貯め込んでいたへそくりを奮発して購入した家事の自動化アイテムは、Aさん夫婦を家事の煩わしさから解放してくれただけでなく、家庭に変化をもたらしてくれました。
事務担当者A | そうだ、仕事でもとにかく自動化できることがないか考えよう! |
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その後、みろく食品では業務で自動化できるところがないかを調べました。すると昨今のAI(人工知能)技術の発展で、仕訳入力も自動作成してくれることがわかりました。
銀行口座の入出金やクレジットカードの明細を、会計システムと連携させることでAIが仕訳を自動作成してくれるので、チェックするだけで済むというのです。これで入力作業を省略することができれば、残業せずとも業務を終わらせ、さらには空いた時間をもっと別のことに有効活用することが期待できます。
AさんとBさんが、AI仕訳機能やそれによる効果を社長に訴えると、社長はAI仕訳機能を備えたシステム導入を前向きに検討することを決めました。社長が前向きになったのは、ただ自動化して業務負担を減らすことだけでなく、AさんとBさんがスキルアップし、もっと会社全体に良い影響を及ぼしてくれることを期待してのことでした。
こうして経理業務の一部を自動化することで、みろく食品はDX(Digital Transformation)実現への第一歩を踏み出したのです。
「DX(Digital Transformation)」
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経理実務の「3大困りごと」 仕訳入力・経費精算・給与計算の業務効率化の考え方
【LIVE配信】10月24日(木)13:30~15:30
【アーカイブ配信】10月29日(火)~11月29日(金)
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