テレワークへの移行で導入! テレワーク環境に適した業績評価の方法とは?
2022年4月3日
質問
新型コロナウイルス感染拡大に伴って対面業務からテレワークへの移行を余儀なくされた「MRK社」ですが、部下の仕事の様子が見えず適切な業績評価(人事評価)ができないと多くの部門管理者が嘆いています。あなたが経営者なら次のうちどの方法をとりますか?
パターン1
テレワークの最中、部下のPCのカメラをオンにし、業務の様子を部門管理者に監視させる。
パターン2
業務の成果やテレワークにおける工夫を社内SNS上でレポートしてもらう。
パターン3
毎日業務終了時に部下とオンラインミーティングを行い、業務の進捗や成果について確認する。
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テレワークによる業績評価方法の転換
情報サービス業を営む「MRK社」では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、多くの業務をテレワークへと移行することとなりました。これに伴い、対面での業務に比べて部下の業務の様子や成果が見えづらくなってしまったことから、テレワークにおいても社員のやる気を損なうことのないよう、1年前に業績評価の方法を改めました。その結果、部下のやる気が高まっただけでなく、社員間のコミュニケーションも活発化することになったのです。
1年前 ~ある日の経営会議にて
MRK社では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、多くの業務をテレワークへ移行しました。しかし、どうも業績評価に関して問題が生じているようです。
社長 | 新型コロナウイルス感染症との戦いの中で導入したテレワークだったが、テレワークは一時的なものに留まらなくなった。テレワークを続けていく上でビジネスプロセスも変化させる必要があるのかもしれない |
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人事部長 | 社長のおっしゃるとおりです。テレワーク中心へと移行して以降、社員から様々な不満の声があがり始めています。このままでは、社員のパフォーマンスは落ちる一方です |
社長 | 現場からは、どんな不満があがっているんだ? |
人事部長 | テレワークに移行してから、各部門の管理者と部下のコミュニケーションが極端に減っているようです。管理者からは部下の業務への取り組みや成果が把握できず、部下のパフォーマンスを管理できないとの声があがっています |
これまで、部下の業務の様子を部門管理者が日々確認しつつ、業務への取り組み状況や業務の成果を総合的に評価することによって、人事評価やボーナスの査定を行ってきました。しかし、テレワーク下では、これまでのように対面で部下の業務の様子を確認することができなくなってしまったのです。
人事部長 | 部下の側からも、自身の業績評価に対する不満の声があがっています。「自宅でも手を抜かずに仕事をしているのに、きちんと評価してもらえない!」ということなんです |
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社長 | なるほど、いずれも業績評価に関する不満というわけか。テレワークに適した業績評価の在り方を検討する必要がありそうだ。どんな方法を用いるべきか…… |
果たして、テレワークに適した業績評価とはいったいどのようなものなのでしょうか。
質問
新型コロナウイルス感染拡大に伴って対面業務からテレワークへの移行を余儀なくされた「MRK社」ですが、部下の仕事の様子が見えず適切な業績評価(人事評価)ができないと多くの部門管理者が嘆いています。あなたが経営者なら次のうちどの方法をとりますか?
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パターン1
テレワークの最中、部下のPCのカメラをオンにし、業務の様子を部門管理者に監視させる。
パターン2
業務の成果やテレワークにおける工夫を社内SNS上でレポートしてもらう。
パターン3
毎日業務終了時に部下とオンラインミーティングを行い、業務の進捗や成果について確認する。
テレワークによる業務中とはいえ、個人のプライバシーには最大限配慮しなければなりません。PCのカメラをオンにすることを原則としてしまうと、部下に過度のストレスを与えることにもなります。遠隔による監視は必要最小限に留める必要があるでしょう。
MRK社は、直属の上司のみが部下の業績を評価する現行の評価制度を改めるため、社内SNSを活用することにしました。テレワーク中の業務の様子や成果を社内SNS上でレポートしてもらうことで、上司だけでなく、より多くの社員に「いいね!」やコメントを通じて評価してもらうことにしたのです。
定期的に部下とオンラインミーティングを行うことは業務の進捗や課題を共有する上で重要でしょう。しかし、部下の人数いかんによっては全員と、かつ毎日ミーティングを行うことは効率的とは言えません。オンラインミーティングに加えて、他の方法を模索する必要がありそうです。
小学生の息子の宿題からヒントを得た
テレワークへの移行によって、自宅にいることが増えた人事部長は、小学生の息子が宿題に取り組んでいる様子を見ています。
人事部長 | 今日はどんな宿題があるんだ? |
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息子 | 今日の宿題はね、自分のタブレットを使って、他のクラスの子の夏休みの自由研究を見て、コメントをつけるんだよ |
人事部長 | すごい宿題だな! 今は公立の小学校でも一人一台タブレットが支給されているんだもんな。お父さんの時代では考えられない宿題だよ |
息子 | 普段話したことのない友達の自由研究でも、「すごい!」と思ったものがあったら、「いいね!」ボタンを押したり、コメント欄に感想を書いたりしていいんだって |
人事部長 | ところで、どんな自由研究にコメントをつけたんだ? |
息子 | 一度も話したことのない友達なんだけどね、僕と同じゲーム好きの子が、自分でプログラムを書いてゲームを作っていたんだよ。すごい内容だったから、「いいね!」ボタンを押して、感想も書いたんだ |
人事部長 | プログラムが書ける小学生がいるのか……。すごい時代だな……。でも、いろんな自由研究を見ることができたり、いろんな人から評価やコメントをもらえるのはいいことだな。ん? 待てよ!! これは会社の業績評価にも当てはまることかもしれない! |
社内SNSの導入で部署の垣根を超えたコミュニケーションを実現
人事部長は、早速社長と相談し、社員が業務の成果やテレワークにおける工夫を気軽にレポートできるようにするべく、社内SNSを導入することにしました。社員たちは、仕事が一段落したときに社内SNS上に「業務の中でこんな工夫をしてみました。その結果、こんな効果が得られました!」とか、「こんな情報が役に立ったので、皆さんにも共有します!」などといったことを投稿するようになりました。そして、部署の垣根を越えて、社員がSNS上に投稿した業務レポートに「いいね!」をつけたり、業務上の成果についてコメントをすることができるようになったのです。
こうして、上司からの評価に加えて、社内SNS上での評価を業績評価に反映することによって、上司、部下双方の不満は解消されることになりました。
社長 | 社内SNSは多くの社員が活用してくれているようだな |
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人事部長 | 仕事の成果をいろいろな人に評価してもらうことで、社員のやる気はかなり高まっているようです。それに、社員間のコミュニケーションも今まで以上に活発になっているようです |
社長 | 部門管理者からも、社内SNSでの情報を業績評価に活用することで、自宅での業務の様子や、仕事の成果に対する他部署の評価を確認できるようになったと好評価だぞ |
人事部長 | ひとまずうまくいっているようですが、社内SNSを継続的に活用し続けるためには、社内SNSにレポートを書きたくなるようなインセンティブが必要かもしれません |
社長 | 確かに、SNSの類は、最初は面白がっていろいろ投稿されるが、徐々に億劫になっていくものだからな |
人事部長 | 他人の投稿に「いいね!」をすると1ポイント、のように、社内SNSの活用に対してポイントを付与している会社もあるようです |
社長 | どんなインセンティブが望ましいのか、SNSを普段から利用している社員に意見を聞きながら検討を進めよう |
テレワーク環境下で仕事をすることで孤独感にさいなまれ、なかなかモチベーションが上がらない社員もいましたが、この制度が導入されたことでモチベーションアップにつながっています。せっかく採用・教育してきた社員が退職してしまったら、また採用・教育コストがかかることにもなります。モチベーションアップや退職者減少といった効果は、MRK社の採算面にも良い影響をもたらしています。
「社内SNS(Social Networking Service)」
社内SNSは社員のみが参加可能なSNSであり、情報共有やコミュニケーションを目的として多くの企業で導入が進んでいます。社員の投稿に対して「いいね!」をつけたり、「ありがとうございます!」「素晴らしい!」「わかりやすい!」「画期的!」などのメッセージを送りあうことも可能です。テレワークにおいては、仕事の成果を誰にも評価してもらえないことが多く、やる気を喪失してしまう社員も少なくありません。社内SNSはテレワークにおける社員のモチベーションの低下を抑制するための解決策の一つと言えるでしょう。
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