テイクアウトが人気のカフェ。売上アップのヒントは宿題に苦しむ息子の姿にあった?!
2022年8月3日
質問
なかなか収束しない新型コロナの中で試行錯誤した結果、テイクアウトの人気店となった「カフェ・ド・ミロク」。しかし、店内にテイクアウトのお客さんがいっぱいになり始めています。この状況で、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
パターン1
テイクアウトの注文窓口を新たに店の外に設ける。
パターン2
テイクアウトの注文は事前に電話で受け、店では代金決済と商品の引き渡しを行う。
パターン3
テイクアウトの注文に、代金決済を含むモバイルオーダーを導入する。
この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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テイクアウトが軌道に乗ったカフェ
なかなか収束しない新型コロナ禍で「カフェ・ド・ミロク」が始めたテイクアウトでしたが、その後の試行錯誤を経て、今では収益の柱となっています。
しかし、半年前はテイクアウトに人気が出る一方で、悩みも抱えていたのです。
半年前 ~新型コロナでテイクアウト注文が増えているカフェ
カフェ・ド・ミロクは、都内にあるカフェです。軽食にコーヒーやスイーツを提供しており、新型コロナ以降、店内飲食の客足が遠のいてしまっていましたが、テイクアウトを始めるなど、試行錯誤しながら頑張っています。
ある日の休日、棚卸をしながら、店長がスタッフと話しています。
スタッフ | コーヒー豆、そろそろ補充する必要がありそうですね。最近、テイクアウトのお客様も増えていますしね |
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店長 | そうよね。コーヒーも、この前補充したばかりだったのにね |
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スタッフ | これからは暑くなってきますし、冷たい飲み物の需要も増えてきそうですね |
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店長 | テイクアウトが増えてきたのは嬉しいけど、この前、レジ付近がお客様でいっぱいになっちゃってたわね |
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スタッフ | なかなか注文に追い付かなくって…… |
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店長 | 並ぶのをあきらめてお帰りになるお客様もいらしたわ。うちの店は、そんなに広いわけじゃないから、かなり混雑しちゃうからね |
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スタッフ | テーブルをいくつかなくして、お待ちいただく場所にしますか |
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店長 | 店の中で過ごされるお客様もいるから、それはダメよ〜 |
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スタッフ | 何か、いい方法があるといいんですけどね |
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店長 | う〜ん。お互いに、何かいいアイデアがないか、考えてみましょ |
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質問
なかなか収束しない新型コロナの中で試行錯誤した結果、テイクアウトの人気店となった「カフェ・ド・ミロク」。しかし、店内にテイクアウトのお客さんがいっぱいになり始めています。この状況で、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
テイクアウトの注文窓口を新たに店の外に設ける。
パターン2
テイクアウトの注文は事前に電話で受け、店では代金決済と商品の引き渡しを行う。
パターン3
テイクアウトの注文に、代金決済を含むモバイルオーダーを導入する。
テイクアウトの注文窓口を新たに店の外に設ける。確かに、この方法なら店内の混雑は解消されるでしょう。しかし、新たに店の外に注文窓口を設けるには設備投資の支出が生じる他、窓口対応用に人員を確保するため人件費支出も増加しそうです。
テイクアウトの注文は、事前に電話で注文を受ける。これも一つの方法です。先に注文を受けることで、店での注文の待ち時間は減るでしょう。しかし、電話を受ける時間、レジでの支払い時間を考えると、依然として混雑が予想されます。また、店内でのテイクアウト対応等で電話に出るのが遅れると、お客さんの不満が増大するかもしれません。
カフェ・ド・ミロクの店長が選んだのはパターン3でした。テイクアウトの注文に、代金決済を含むモバイルオーダーを導入することにしたのです。モバイルオーダーにより、スマホなどから注文と決済まで行ってもらうことができ、店での待ち時間を大きく減らすことができます。また、お客様はスキマ時間に気軽にスマホなどから注文でき、店での注文から受け取りまでの待ち時間が減るため、混雑により注文の機会を逃すことがなくなるばかりか、新たな注文が増えることも期待できます。
テイクアウトの失敗と、終わらない宿題に苦しむ息子の姿の意外な共通点
ある日、カフェ・ド・ミロクの店長が帰宅すると、どうも息子が焦っているようです。
息子 | あー、宿題が終わらないよー。明日提出だっていうのに! |
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店長 | テレビ観たり、ゲームやったり、ゴロゴロしたり、随分余裕があるようだったじゃないの |
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息子 | いやー、追い込まれないとなかなかエンジンがかからなくて |
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店長 | 何言ってるの! できることをさっさと片づけておかないから、後で苦しむことになるのよ |
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このとき店長は思いました。
店長の心の声 | <できることをさっさと片づけておかないから後で苦しむ……って、人のことを言ってる場合じゃなかった。今のうちの店の状況だって同じじゃない?> |
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そして店長は、テイクアウトで行列ができて大変な店の状況を思い浮かべました。
店長の心の声 | <さっさと片づけておけることってないのかな?> |
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翌日、店のスタッフにもこの問いを投げかけ、後日、皆でアイデアを出してみることになりました。そうした中で出てきたアイデアの一つが「モバイルオーダー」でした。
さらに検討してみると、モバイルオーダーは、多くのアプリから選べて、操作もそれほど高度ではないことや、導入が高額にならないものもあるようだということが分かりました。注文のやり取りや代金決済をし、注文の品を作って引き渡しをするといった一連の業務をすべて店でお客様と対面で行っていると、どうしてもお客様一人一人に要する時間がかかります。しかし、モバイルオーダーを使うことで、注文や代金決済は事前にお客様の側で済んでいるため、店では来店時間に合わせて注文の品を作り、お渡しすればよくなります。これにより、店の混雑を避けることができ、業務も効率化されるので、むしろコストを削減することができる可能性も高いことなどが分かりました。
最初は、モバイルオーダーなんてハードルが高いと思っていた店長ですが、事前注文・事前決済による業務効率化というメリットを認識したことで、今はモバイルオーダー導入に意欲的です。
ワンポイント解説
「事前注文・事前決済による業務効率化」
本記事では、注文と代金決済をお客様の側で済ませる仕組みを導入することで、業務の効率化を図ることができることが描かれています。このように、業務進行のボトルネック(業務全体の流れを阻害する問題要因)となっている業務を見つけ、その部分を見直すことが、業務の効率化につながります。
お知らせ
2022年8月13日号は、夏季休暇中のため休載とさせて頂きます。次号は2022年8月23日号となりますので、引き続きご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
セミナー情報
経理実務の「3大困りごと」 仕訳入力・経費精算・給与計算の業務効率化の考え方
【LIVE配信】10月24日(木)13:30~15:30
【アーカイブ配信】10月29日(火)~11月29日(金)
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