人手不足と食材廃棄ロスに悩むレストラン。SDGsにもマッチした収益拡大策とは?
2022年11月3日
質問
レストラン「ITALIANOみろく」は、新型コロナの波が繰り返す中で客足が安定せず、多くの食材廃棄ロスも発生しています。アルバイトの人手不足の中で収益を拡大するため、あなたが経営者なら次のうちどれを選択しますか?
パターン1
店舗数を増やす。
パターン2
無人販売できる機器を導入する。
パターン3
事前予約制のみにする。
この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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アルバイトの人手不足と、食材廃棄ロスの悩みが解消?!
イタリアン・レストランの「ITALIANOみろく」は郊外に数店舗を営業しています。特に魚介類を使ったパスタやピザが人気です。最近ようやくアルバイトの人手不足と、食材廃棄ロスの悩みが解消したのか、社長や従業員にも笑顔が増しているようです。
しかし1年前、ITALIANOみろくの社長は大いに悩んでいたのです。
1年前 ~アルバイトの人手不足と、食材廃棄ロスに悩むレストラン
数年前までITALIANOみろくの業績は好調に推移してきました。
しかし、新型コロナ感染症が発生して以降、コロナ禍が何度も繰り返す環境下では客足が読みづらく、想定したほど来店客がない日には、値の張る食材の廃棄ロスも正確に把握できず困っています。また、今の環境下ではアルバイトの人員の確保にも苦労することが多く、せっかく確保した人員も急遽欠勤せざるを得なくなることもあるなど、アルバイトの人手不足の状況となっています。
営業時間についても、感染対策で時短要請があれば、それに応じているため、なかなか業績も回復していません。
ITALIANOみろくの社長は、こうした環境においても何とか収益機会を拡大する方法はないかと悩んでいます。
質問
レストラン「ITALIANOみろく」は、新型コロナの波が繰り返す中で客足が安定せず、多くの食材廃棄ロスも発生しています。アルバイトの人手不足の中で収益を拡大するため、あなたが経営者なら次のうちどれを選択しますか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
店舗数を増やす。
パターン2
無人販売できる機器を導入する。
パターン3
事前予約制のみにする。
店舗数を増やせば、収益機会の拡大にはつながるかもしれません。しかし、アルバイトの人手不足の問題がある中、さらに店舗数を増やすのはなかなか難しく、また客足が読みづらい状況で店舗数を増やせば、今以上に食材廃棄ロスも増えてしまいかねません。
ITALIANOみろくが選択したのはパターン2でした。無人販売が可能なある機器を導入することで、アルバイトの人手不足の問題をクリアし、24時間365日の収益機会の創出につなげるとともに、食材廃棄ロスの削減効果も得られたのです。どういうことかと言うと……
事前予約制にすれば、客足を読むことができ、食材廃棄ロスを減らすこともできるかもしれません。しかし、単に予約制にするだけでは現状の顧客数よりも減ってしまう可能性が高そうです。
食材廃棄ロス対策 ~客足の正確な予測を追究する代わりにとった方法とは?
ある晩のこと、久々に友人に会う機会があり、近況などを話すうちに最近の仕事の悩みの話になりました。
社長 | 実は最近、店のことで悩んでるんだ |
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友人 | どういったことだい? |
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社長 | 最近は特に客足が読みづらくて……。思ったよりも来店されるお客さんが少なくって、食材を無駄にし、原価率が高くなってしまうことも増えてるんだ |
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友人 | 確かに今のような環境だと客足を予測するのも大変そうだな |
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社長 | どうやったら客足を正確に予測できるのか、いい方法知らないか? |
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友人 | うーん……。でも、食材廃棄ロスを減らして原価率を改善するんだったら、客足の正確な予測を追究する代わりに、食材を日持ちさせる方法を考えてみるって手もあるんじゃないか? |
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社長 | 確かに。その観点からは考えてなかった |
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そして、帰り道ではスーパーが開いており、ふと立ち寄ってみることにしました。
社長 | 日持ちする食品って言うと、やっぱりインスタント食品かな。いや冷凍食品もあるなぁ |
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そのスーパーの前にはジュースの自動販売機も並んでいます。
社長 | 自販機か。これなら人がいなくても、いつでも販売できるけどな……。いや、待てよ |
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このとき社長は、冷凍食品と自販機の組み合わせが気になり、情報を集めてみることにしました。その結果、ITALIANOみろくでも使えそうな機器が見つかったのです。
社長 | これなら、人員に左右されずにいつでも販売できるし、食品を長持ちさせることもできて、一石二鳥じゃないか! |
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原価率アップを抑えた新たな収益源
ITALIANOみろくオリジナルのパスタやピザの一部を冷凍品にして、冷凍自販機で販売することにしました。また、冷凍自販機だけで販売するオリジナルスイーツも用意しました。お客さんは通りがけに気軽に買って、好きなときに食べることができます。これにより、ちょっとしたパーティー気分が自宅に居ながら味わえたり、料理が面倒なときに気軽に美味しいものが味わえたりするなど、新たな顧客開拓にもつながり、徐々に販売が増え、イタリアーノみろくの収益機会の拡大につながったのです。
機器導入により、新たにリース料や電気代はかかることになったものの、人手をかけずに売上を増加できたことで、採算アップに貢献しています。また、店内での販売に比べて日持ちするため、食材廃棄ロスを削減し、原価率アップを抑えることにも貢献しています。食材廃棄ロスの把握をしながらロス削減に取り組んでいるITALIANOみろくでは、冷凍品販売が、最近話題のSDGsにもマッチした収益源になりそうです。
ワンポイント解説
「食材廃棄ロスの把握」
使用した食材については、期首棚卸高に当期仕入高を加え、そこから期末棚卸高を控除することで、食材廃棄ロス分を特に意識しなくても売上原価を計上することはできます。ただし、この場合は実際にどれ位の廃棄ロスが生じているのかが分かりません。重要な廃棄ロスが生じたときは「廃棄ロス」など適当な勘定科目を使って別途計上し、発生金額をきちんと把握しておくと良いでしょう。
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