人手不足対策が必要! ヒントは“ケースバイケース”にあった!?

2023年12月3日

質問

食品製造用の機械装置の製造・販売を営む「マイトレーヤ機械」は、コロナ禍で売上が減少し、営業担当者数も減りましたが、現在は顧客訪問での営業活動も少しずつ増えてきて、営業担当者の人手不足が生じ始めています。あなたが経営者なら次のどの行動をとりますか?

パターン1

客先に訪問せずに行う営業活動を積極的に導入し、外出の移動時間を削減することで、人手不足を補う。

パターン2

当分の間、現在の営業担当者が担当できる範囲に事業の規模を限定することで、人手不足問題を解消する。

パターン3

営業能力のある者を、賃金を増額させて新規雇用することで、人手不足を解消する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

営業
リモート

営業担当者の人手不足への対策が功を奏しつつある会社

機械装置の製造・販売を行う「マイトレーヤ機械」は、営業担当者の人手不足が問題となっていましたが、対策が功を奏しつつあり、現在は落ち着きを取り戻しています。

以前 ~With コロナのもとで人手不足問題が浮上!

マイトレーヤ機械は、顧客の要望を把握するための営業活動を大切にすることで、顧客のニーズに合わせてカスタマイズした機械装置の製造・販売を強みにしてきました。しかし、コロナ禍になって以降は対面による営業活動の制約等により事業活動そのものが縮小し、思うような営業活動ができずにいました。

その後、ようやくwithコロナ・afterコロナでの経済活動が回復してきたことで、少しずつ機械装置の注文も入るようになってきています。社長は、対面による営業を再開する中、営業担当者の人手不足の問題を実感するようになってきました。

社長は、人件費の負担も考慮しながら、営業活動の拡充をしたいと願っていますが、どうしたら良いか悩んでいます。

質問

食品製造用の機械装置の製造・販売を営む「マイトレーヤ機械」は、コロナ禍で売上が減少し、営業担当者数も減りましたが、現在は顧客訪問での営業活動も少しずつ増えてきて、営業担当者の人手不足が生じ始めています。あなたが経営者なら次のどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

客先に訪問せずに行う営業活動を積極的に導入し、外出の移動時間を削減することで、人手不足を補う。

パターン2

当分の間、現在の営業担当者が担当できる範囲に事業の規模を限定することで、人手不足問題を解消する。

パターン3

営業能力のある者を、賃金を増額させて新規雇用することで、人手不足を解消する。

マイトレーヤ機械の社長が選択したのは、この方法です。これは、すべて対面式による営業とするのではなく、部分的にリモート会議形式等によるインサイドセールスを取り入れることにより、顧客先を訪問するための移動時間を削減し、その削減された時間を対面式等によることが望ましいケースに利用する方法です。いわば、ハイブリッド方式の採用です。

これは、人手を直ちに増やすことを避けて、将来にわたって少しずつ営業の拡大を目指す方法です。そのため当分の間、営業担当者数は増加させないことになります。もちろん堅実な方法ですが、せっかくの売上回復のチャンスを逃してしまいかねません。

これは、既にある程度の営業能力がある新たな人材を求める方法です。その場合は、他の企業から転職してきてもらうのが通常です。そのため、確実に新規採用できるのか、また増加させた給与に見合うだけの営業成績を達成できるのかといったリスクが伴います。

人手不足対策のヒント ~きっかけは家庭での会話

Withコロナ・afterコロナにあって、営業の回復を目指す中、営業担当者の人手不足に頭を悩ませながら社長が帰宅したときのことです。大学生の息子との会話で、営業のあり方を見直すことを考えることになりました。


社長

最近は大学には行っているのか?

ケースバイケースかな


息子


社長

どういうことだ?

授業が対面式だったり、リモート授業だったりするから、大学に行ったり、行かなかったりすることになるんだよ


息子


社長

でも、どうして授業ごとにやり方が違うんだ?

受講者数と部屋の収容人数の関係らしいよ。それに、リモート方式でも、リアルタイムの授業もあれば、一定期間中に先生が作成したビデオを視聴するオンデマンド方式もあるよ


息子


社長

オンデマンド方式?

新型コロナに感染して大学に来られない学生がいる可能性もあるので、授業をビデオで撮影したものを後で視聴できるようにしている授業が多いんだよね。これがオンデマンド方式。だから、結局、わざわざ教室に行かなくても、後でビデオを観ればいいから、教室にいる受講者は少数になっているんだよ


息子


社長

まぁ、学生がしっかり学習できていればいいんだけれどね。おまえは、しっかり勉強できているのか?

ケースバイケースということで


息子


社長

……

このとき社長は、営業も授業も対面が原則と思い込んでいたかも知れないと思いました。そして、営業も状況に応じて、対面の方が良い場合もあれば、リモート会議の形式でも良い場合もあるのではないかと考え始めたのです。

インサイドセールスとアウトサイドセールスのハイブリッド形式の採用へ

後日、社長は営業幹部社員と一緒に、対面での営業活動(アウトサイドセールス、フィールドセールス)を行う目的を改めて考えてみることにしました。その結果、対面ではなくてリモート会議でも十分にその目的を達成できる活動があることが明らかになってきました。例えば、これまで販売した機械装置に不具合等が起きていないかの確認や、これまでと同じ機械装置の継続注文等については、リモート会議形式でまずは対応し、必要に応じて直接訪問することで営業目的を達成できそうです。

こうして、これまでとりあえず対面で行おうとしていた営業活動を、状況に応じて、次の2つに分けることにしたのです。


 ①リモート会議形式によるインサイドセールス
 ②直接訪問して対面で行うアウトサイドセールス(フィールドセールス)

インサイドセールスのメリット・デメリット

インサイドセールスのメリット・デメリットとしては、以下のようなものを挙げることができます。

【図表】インサイドセールスのメリット・デメリット

メリット ・訪問のための移動時間がかからないので、少ない人数・少ない時間の中でより多くの案件に対応でき、業務を効率化でき、営業担当の人手不足の対策になる。
・訪問に要する交通費を削減できる。
・対面営業中心だと属人化しがちな業務を、標準化しやすくなる。
・インサイドセールスとアウトサイドセールス(フィールドセールス)を分業にすることで、専門的能力の向上につながる可能性がある。
・アウトサイドセールス(フィールドセールス)を確度の高い案件、重要な案件に集中させることができる。
・テレワークなど、働き方の選択肢が増える。
デメリット ・インサイドセールス担当者とアウトサイドセールス(フィールドセールス)担当者が情報共有できるようにする必要がある。
・顧客とのコミュニケーションが不足するおそれがあり、顧客からの信頼度も高まらないおそれがある。

マイトレーヤ機械では、インサイドセールスにより時間に余裕ができたことで、これまで人手不足のために連絡さえ十分にできていなかった顧客や新規顧客のニーズを把握することに使えるようになってきました。これは、コロナ禍の中でやむを得ず活用せざるを得なかったリモート会議の手法を、with コロナ・afterコロナでもうまく活用することでもありました。

その結果、今では、営業に要する交通費の削減、従業員数を増加さない効率的な営業活動へとつながっているようです。

「インサイドセールス」

インサイドセールスとは、相手先に訪問せず、電話、メール、リモート会議などを使った営業活動のことを言います。インサイドセールスのメリット・デメリットを踏まえて、営業活動のうちインサイドセールスで対応できるものがないか検討してみるのも一案です。

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