利益の出ないヨガ教室。必要なのは、身体の柔軟性ではなく経営の柔軟性だった!

2018年3月13日

サービス業

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2018/03/13

質問

ある郊外のヨガ教室。生徒数は十分に集まっているものの、思ったような利益を出せてはいません。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

スタジオの設備に投資して、レッスン料を高くする。

パターン2

市民センターを借りて運営することで、スタジオ代を安くする。

パターン3

ヨガ教室で使用していない時間には、スタジオを他の講座用に貸し出す。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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評判のヨガ教室

「ヨガスタジオMJS」は、都内から急行電車で30分ほどの郊外にあるヨガ教室です。同じインストラクター養成講座出身の3人が、子育ての空き時間をうまく調整して、副業で始めた教室です。

今日も教室に来た生徒さんたちは柔らかくなってきた身体に満足そうです。それだけでなく、ヨガスタジオMJSは最近、利益も順調に出ているようで、店長・先輩・後輩の3人とも笑顔が増えたようです。

今でこそ順調にいっているヨガスタジオMJSですが、1年ほど前までは思ったような利益を出せず、3人はどうしたらいいか悩んでいたのでした。ちょっとその頃の様子を見てみましょう。

1年前 ~採算が悪いヨガ教室

ヨガスタジオMJSは、駅から少し離れた場所にスタジオを構えています。いつもはシフトがバラバラの3人のインストラクターが、今後のヨガスタジオMJSの運営などについて相談するために集まっています。

後輩 昨日も、朝・昼・夜の3クラスとも生徒さん、たくさん集まりましたよね
店長 そうね。でも、スタジオの家賃を考えると、今月は収支ギリギリかな……
先輩 この辺りだとこんなに安い賃料ってなかなかないから、ここが使えてラッキーなんだけど、やっぱり毎月の家賃って大きいよね。光熱費も結構かかるし……
店長 私たちのキャパの問題もあるから、これ以上コマ数を増やすのも難しそうだし……
 

質問

ある郊外のヨガ教室。生徒数は十分に集まっているものの、思ったような利益を出せてはいません。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

スタジオの設備に投資して、レッスン料を高くする。

パターン2

市民センターを借りて運営することで、スタジオ代を安くする。

パターン3

ヨガ教室で使用していない時間には、スタジオを他の講座用に貸し出す。

スタジオにハンモックやホットヨガ用の設備などを充実させ、レッスン料を高くすることも一つの戦略です。しかし、初期投資や設備の維持費用と比べて十分なレッスン料収入を得ることができるかを見極めることが大切です。

ヨガスタジオMJSのインストラクターが選択したのはパターン2でした。スタジオを常時借りることを止め、時間単位のスポットで市民センターを借りるようにしたのです。その結果、どうなったかというと……
 

ヨガ教室で使用しない時間帯に、スタジオを柔道・空手やダンスなどのレッスン用に貸し出すことで賃料などの固定費をシェアできると経営的には助かるでしょう。しかし、そのような貸出先を見つけるのは大変ですし、賃借契約によってはスタジオを又貸しできないこともあります。

あのヨガ教室に必要だった柔軟性の正体

どうしたものかと考えるものの、3人にはなかなかいいアイデアが出てきません。
 
休憩がてら雑談していると、先輩インストラクターの娘がダンス発表会で入賞した話になりました。
 

先輩 そういえば、ダンス発表会があった市民ホールの利用料って、営利目的じゃなければ意外と安いのよね。営利目的になるとだいぶ割高みたいだけど
後輩 どの位なんですか?
先輩 1時間でこれ位だった
後輩 わー、結構しますねぇー。その料金で1カ月借りたら、……、大変な金額だー。それと比べたら今の教室の賃料って随分と割安なんですね
店長 あれっ、ちょっ、ちょっと待って。……。うちのヨガ教室って、1カ月で使ってる時間ってこんなもんでしょ? 1時間当たりで考えたら、……、えっ、こんなに高いってこと?
このとき3人は、割安だとばかり思っていた今の賃料が、使用時間当たりで考えたら、驚くほど割高になっていることを実感したのでした。

これを機に方向性を見直すこととし、その後、生徒さんが多く集まる時間帯に市民センターを時間単位のスポットで借りることに変更したのでした。

その結果、これまでかかっていた月々の固定賃料等がなくなり、利用した時間単位で支払う賃料のみとなりました。単位当たり固定費に着目して見直しをしたことで、経営の重しになっていたコスト負担を大きく削減することができたのです。

どうやら、ヨガスタジオMJSを救ったのは、固定化してしまったコストの「柔軟性」を高めることだったようです。
【ワンポイント解説】

「単位当たり固定費」

固定費は売上の増減に関わらず発生する費用であり、なかなかムダな部分を捉えにくいかもしれません。しかし、製造数量1個当たりや利用時間1時間当たりなど、単位当たりで固定費を捉えると、ムダな部分が捉えやすくなります。

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