家賃が高過ぎるコロナ禍の東京で、ミャンマー料理店をオープンさせた秘策とは?
2021年9月3日
質問
東京都内、山手線のある駅近くでミャンマー料理店をオープンしようと考えています。コロナ禍が続く状況下で、資金力が十分ではないあなたならどのような方式で営業を始めますか?
パターン1
店内での飲食とともに、テイクアウトや宅配を行う。
パターン2
店内での飲食スペースは設置せず、テイクアウトや宅配のみの営業に特化する。
パターン3
狭い店舗を借りて、昼間のみの営業とする。
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店の継続に見通しが立ち、毎日、元気で営業を続けています!
東京の山手線高田馬場駅周辺には、ミャンマー料理店がかなり多く出店しています。隣町の新大久保近辺では韓国料理等の飲食店やアジア系のグッズ等が若者の人気を得ています。高田馬場や新大久保地域では、いわゆる東南アジア系のエスニック料理店が集中しています。その地の利を受けて、ミャンマー人夫婦の店も、当初の予定を上回るお客様がついており、今後の店の継続に見通しが立ち、夫婦も一安心といったところです。
しかし、半年前までは、このミャンマー人夫婦も日本での生活に大きな悩みを抱えていました。
半年前 ~家賃の高い東京では、新規のオープンなど無理無理!
それまで、2人は、高田馬場駅近くのミャンマー料理店で、5年間ほど修行を続けてきました。夫婦で一生懸命働いた結果、ある程度の貯金もできたので、母国に戻ってミャンマー料理レストランをオープンしようかと、将来の計画について真剣に相談しました。
しかし、今年のはじめ、突然、ミャンマーの軍隊によるクーデターが勃発し、その後も母国が異常な騒乱状態となり、母国への帰国もかなわぬ状況が続いています。
夫 | ミャンマーがこんな悲惨な状況だから、母国には当分戻れないなあ…… |
---|---|
妻 | そうですね。本当に困りましたね…… |
夫 | この際、日本でミャンマー料理店を始めてみようか |
妻 | そうね。母国のミャンマー料理に、もっと日本の皆さんにも親しみを持ってもらいたいわね! |
そこで、日本でミャンマー料理店をオープンする計画に取りかかりました。ただし、コロナ禍の状況が続いており、飲食店等への来店客も減っています。また、日本では、まだミャンマー料理はあまり知られておらず、マイナーな東南アジア料理のひとつという位置づけに過ぎず、日本国内での飲食店経営には大きなリスクがあります。ただ、東京・新宿区の高田馬場駅近辺では、ミャンマー料理店が比較的集まっており、日本人の若者にも一定数のファンや常連客がいます。そのため高田馬場駅付近で店舗用地の物件を探すことにしました。
しかし、物件探しを始めて、夫婦はすぐ気づきました。家賃が高過ぎるのです。夫婦の手持ち資金では、十分な飲食スペースのある店をオープンするのは到底無理なのを実感し、計画はあきらめざるを得ないのかと落胆することになったのです。
質問
東京都内、山手線のある駅近くでミャンマー料理店をオープンしようと考えています。コロナ禍が続く状況下で、資金力が十分ではないあなたならどのような方式で営業を始めますか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
店内での飲食とともに、テイクアウトや宅配を行う。
パターン2
店内での飲食スペースは設置せず、テイクアウトや宅配のみの営業に特化する。
パターン3
狭い店舗を借りて、昼間のみの営業とする。
コロナ禍の現状では、店内での飲食客の減少を補うために、テイクアウトや宅配を手掛けるケースが多いのですが、店内飲食のための十分なスペースを設けようとすると資金負担が増えることになります。そのため、資金力が十分ではないこのオーナーは違う方式を選択しました。
ミャンマー人のオーナーが選択した方式は、パターン2でした。その理由はどこにあるのでしょうか。
資金力が十分ではないので、狭い店舗でも借りて、まずは昼間のみの営業とする方式も考えられます。コロナ禍で店内での飲食客が少ないと見込まれる状況下で、リスクも軽減できそうです。しかし、このオーナーは少ない資金でもっとチャンスを大きくできそうな、違う方式を選択しました。
テレビ番組の紹介からヒントを得た!
現在のミャンマーは以前にはビルマと呼ばれていました。ミャンマー料理(ビルマ料理)はインドやベトナム、中国などの影響を受け、独自の食文化を形成しています。味が比較的濃く、脂っこいのが特徴です。オイルを使用することが、豊かさの象徴と考えられているようです。たこ焼きやお好み焼きのようなメニューもあり、日本人も1回食べてみると、ミャンマー料理に親近感も増すでしょう。
日本ではミャンマー料理店は、まだ少ないですが、東京のJR高田馬場駅付近には、幾店ものミャンマー料理を提供する店が存在しています。このミャンマー人夫婦も、ミャンマー料理店を始める街の第1候補として、高田馬場地区に絞り、適当な物件を物色し始めました。しかし、東京都内でしかも山手線の内側の地域は、コロナ禍が継続している時期にもかかわらず、家賃が高く、手持ち資金では、厨房と飲食スペースを確保するような物件を借りるのは、やはり無理だと思い知らされ、夫婦の夢の実現は遠くなったと落胆する日々でした。開店のハードルの高さに、夫婦とも気分が落ち込み、狭いアパートで、これからどう生活して行こうかと悩んでいました。
そのような時期に、何気なくテレビを見ていたら、コロナ禍で多くの企業の業績が急低下している中で、逆境を逆手に取ったアイデアで店の活性化を図っているケースが紹介されていました。
夫 | これはハンバーガー・ショップだね |
---|---|
妻 | でも、この店、店内での飲食スペースを持たない、テイクアウト専門店みたいね |
夫 | それに、完全キャッシュレス制を実行してるみたいだよ |
妻 | 本当だ |
夫 | それにほら、見てごらん。オーダーから代金の決済まで専用のアプリで完結させてるよ。オリジナルアプリか店内のタブレットで注文して、受取番号が発行されて、店内のピックアップ専門の棚から、顧客自身が受け取る仕組みになってる |
妻 | 本当ね。決済方法は、クレジットカードか電子マネーのみ可能としているのね |
夫 | ああ、こんな方式なら我々でもできるかもね |
妻 | 日本には、“小さく産んで、大きく育てる”との言葉もあるようですしね |
夫婦は、このシステムに興味を持ちました。もともとオーナーは、最近のIT技術の進展に関心があり、ある程度の基礎知識がありました。そこで修行時代の料理店の常連客であった、近くの大学の理工学部の大学院生に相談を持ち掛け、協力を仰ぎました。継続して適当な不動産の物件をいろいろと検索したところ、コロナ禍で業績が急低下し、閉店や撤退を余儀なくされた店舗が、少なからず目に留まりました。高田馬場駅近くで立地は最適なのですが、かなり狭い店舗なので、店内での飲食スペースは確保が難しいのですが、その貸店舗を選びました。その物件は家賃も比較的割安であり、その空き店舗を利用して、店内飲食スペースは無しに、テイクアウト専門のミャンマー料理店をオープンしたのでした。
テイクアウト専門店に特化したため、家賃の節約ができただけでなく、飲食スペースの内装費用や従業員を雇用する人件費等の費用も軽減することができたというわけです。
「小さく産んで、大きく育てる」
創業段階などでは、ヒト・モノ・カネといった経営資源が十分にないことも少なくありません。ヒト・モノ・カネが十分集まってから創業しようとすれば、創業のタイミングが大きく遅れることにもなりかねません。まずは限られた経営資源の中で小さく創業し、その後の成長を目指すことは有効でしょう。
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皆さまがコスト削減するにあたり、ぜひ参考にご覧ください!
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