採用難でも失敗しない! 草野球から学んだ戦略とは?

2018年6月23日

サービス業

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2018/06/23

質問

小さな広告代理店を営む「369堂」。これまで景気に合わせて新卒採用を控えてきた一方で、近年退職者が増え、積極的な採用活動を行う必要が出てきました。これから予想される環境変化のためにどのような採用戦略をとるべきでしょうか?

パターン1

業界で経験を積んだ人を中途採用する。

パターン2

高待遇をうたい、有名大学の学生を新規採用する。

パターン3

有名大学でなくても、社風に合いそうな学生を新規採用する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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取引先からもほめられる会社

とあるパーティで「369堂」の社長は取引先の社長と偶然出くわしました。

取引先 社長、また次回もお願いしますよ。うちの担当のK君、彼はとってもいいね。どうやって採用したんだい? 今度ゆっくり聞かせてほしいものだ

そう言われて、369堂の社長はまんざらでもないようです。しかし、以前は人材採用に手こずっていたのです。

うちの会社がブラック企業だなんて!

 
人事担当 社長、オリンピックで景気も良くなりそうですし、うちもそろそろ積極的に採用する時期ではないでしょうか?
社長 うむ、そうだな。定年で辞める人もこれから増えるし、会社を取りまく環境もめまぐるしく変化している。人事について真剣に考えなきゃな。よし、君、早速動いてくれたまえ
人事担当 承知しました
しばらくして…… 
社長 おい! うちはいつからブラック企業になったんだ? 一体何をしでかしたんだ?
人事担当 社長に言われたとおり、優秀な人材を採用しようとしただけなんですけど
社長 就活サイトでブラックだと評判らしいぞ! 確認してみろ!
人事担当 はあ、ホントだ。でも、入社1年で係長昇進とか、25歳の給与水準〇〇万円とかいいことしか書いていないんですけど……
社長 これは何かの陰謀か?
 

質問

小さな広告代理店を営む「369堂」。これまで景気に合わせて新卒採用を控えてきた一方で、近年退職者が増え、積極的な採用活動を行う必要が出てきました。これから予想される環境変化のためにどのような採用戦略をとるべきでしょうか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

業界で経験を積んだ人を中途採用する。

パターン2

高待遇をうたい、有名大学の学生を新規採用する。

パターン3

有名大学でなくても、社風に合いそうな学生を新規採用する。

これは確かに有効な人事戦略であることが多いですが、広告のような変化の激しい業界では、過去の実績よりも将来実績をあげられるかどうかがポイントとなります。

有名大学の学生をピンポイントで採用できたとしても、自社のやり方になじまなければ、その人は上司や会社の限界を感じ、いずれ去っていくことになるでしょう。

369堂が採用したのはこのパターンでした。目立たなくても社風になじませチームプレイができるようになれば、会社にとって大きな戦力となります。また、採用に関して大きな条件をつけないことで応募者が多く集まり、社風に合う人材を毎年新規採用できるようになれば、組織に新しい風を吹き込むことができるでしょう。

きっかけは草野球の観戦だった

369堂の社長は、若い頃から師匠と呼び相談に乗ってもらっている別会社の社長と、夕食を共にしていました。

社長 まったくブラックだなんて、とんだとばっちりですよ
師匠 今どきは、自分の時間とかプライベートの充実とかで、下手に昇進スピードや給与水準の話を前面に出すと、きっとめちゃくちゃ働かされるぞって就活生に敬遠されるんだ
社長 私らのときとは全然違うなぁ
師匠 それより、私がオーナーの草野球のチームがあっただろ。週末に試合があるから、気分転換に一緒に観戦してみないか?
社長 はあ、師匠が言うなら行かせて頂きます

観戦を終えて、2人が話しています。

師匠 どうだった? 面白かっただろう?
社長 ええ、負けちゃいましたけど、接戦でしたね。でも何であんなにいいピッチャーを交代させたんですかね
師匠 ああ、あいつか。彼は甲子園にも行ったことがある実力者なんだが、チームになじめなくてね。チームメイトを上から見るんで、ピンチのときほどギクシャクするんだ。監督が交代させなかったら、内部崩壊だよ
社長 彼はもっと強いチームを求めて退団するかもしれませんね。ところで、あのファーストの交代も痛かったですね。いい選手なのに
師匠 あいつはよそのチームから引っ張ってきたんだが、年のせいかすぐ怪我をするんだ。治っては怪我をしの繰り返しだ。また年配のやつをとると、そのポジションでレギュラーになれると思っていた若手がくさるんだ
社長 なるほど。あと、地味だけど、セカンドの若い彼、彼は声出しを積極的にしたり、チームの士気を高めようとしていて感心ですね。あれ、師匠。これって会社の人事そのままじゃ?
師匠 気づくのが遅いわい。それから、採用コストを甘く見てはいかんぞ。ブラックとは言われたが、就活サイトの活用はいいアイデアじゃ。そこだけはほめてやる
社長 ははあ、アメとムチも必要なようで……勉強になります

こうして369堂の社長は、好条件を前面に出さないで、社風が伝わるような内容を考え、就活サイトで募集をかけました。その結果、個人の資質に偏らないチームプレイを意識した人事を進めることができ、有名大学出身でなくても会社の一員として活躍できる社員を獲得し、会社を繁栄させたのでした。

【ワンポイント解説】

「採用コスト」

採用コストとは、必要な人材を採用するためにかかる費用のことを言います。求人広告掲載費用、人材紹介会社に支払う報酬、会社説明会の会場費、会社案内の制作代などがある他、採用業務に携わる社員の人件費などもかかっています。求める人材を効率よく採用し、会社の戦力をアップさせましょう。

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