経理担当者の裏切りで社長が得た教訓とは?

2016年9月3日

卸売業

  • 卸売業
  • 建設業
2016/09/03

質問

経理を他人任せにしていたために起きた問題を前に、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

有資格の経理担当者を採用する。

パターン2

社長自らが帳簿をつける。

パターン3

最新の会計システムや会計ソフトを導入し、経理内容の見える化を図る。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
卸売業イメージ01
卸売業イメージ02

経理を制する者が経営を制する

建築用の木材を扱う会社を経営するみろく太郎は、取引銀行の担当者と資金繰りについて相談をしています。

みろく「帳簿にありますようにここ3カ月の月末在庫が順調に減少しておりますし、売掛金の残高はこのとおりで、来月の5日には8割方回収できますので、御行にはこれ位ご融資いただければと存じます」

そう言いながらみろく太郎は電卓をたたき、その金額を銀行員に提示しました。

銀行員「いやあみろくさんには、いつも感心しております。こうして数字を根拠に必要な資金とその返済時期についてお話を頂くと、当行といたしましても安心して融通することができます。部長からもみろくさんは信頼してよいと言われていますので、このとおり決裁が下りると思います。それでは少々お時間を頂きます。失礼いたします」

最近の銀行とのやり取りは非常にスムーズで、いらぬ腹の探り合いで時間と体力を浪費することもなく、経営に集中できるようになり、業績もゆっくりですが上向きに推移しています。取引に満足感をいだきながら、みろく太郎は3年前を思い出していました。

私の言うことを聞いていれば、間違いないのよ

みろく太郎の会社には父の代から務めるIさんという経理担当の女性がおりました。Iさんは受発注から、納品に至るまでの会計処理を一人で行っていました。

Iさんの口癖は「経費削減」でした。社員はもとより社長にまで経費削減を強要し、口答えしようものなら、「私の言うことを聞いていれば、間違いないのよ」と怒鳴られる始末でした。しかし、こんな状況でも我慢していたのは、父の代から経営を支えてくれているという信頼感からでした。その一方で、経費削減が行われているはずなのに、会社の業績はむしろ下降している気がしてなりませんでした。そんな時、テレビのニュースを何気なく見ていたところ、「横領」という2文字にハッとしました。「まさかうちの会社に限って……」とこの2文字を忘れようと思いましたが、心の中では疑惑がどんどん大きくなってきました。

翌日、Iさんには慰労と称して2週間の有給休暇を与え、それから取引先や顧客に対して情報収集をはじめました。その後、取引の金額が合っているか会社の記録と照合しました。その結果を見て、みろく太郎は思わずわが目を疑い、その金額の大きさに電卓を落としてしまいました。

質問

経理を他人任せにしていたために起きた問題を前に、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

有資格の経理担当者を採用する。

パターン2

社長自らが帳簿をつける。

パターン3

最新の会計システムや会計ソフトを導入し、経理内容の見える化を図る。

簿記検定や資格試験で会計学を修めた人を採用するのは一つの手段です。おそらく正確な記録をしてくれるでしょう。しかし、「他人任せ」の感は否めません。経理を他人任せにし、内部牽制を怠ったために起きた問題であるだけに担当者を変えるだけというのは積極的な改善効果が見られない可能性があります。

確かに社長が自分で帳簿をつければ、経理担当者の不正の余地はありません。しかし、日常業務に加えて、一から経理実務を覚えるのは非常に大変です。また、覚えたとしても毎日、経理実務に没頭し、肝心の社長業務がおろそかになる恐れがあります。

みろく太郎が選んだのはこれでした。会計システムを販売する会社の営業マンから話を聞き、最近はソフトも進化し、入力画面が要求するとおりに取引データを入れればよく、簿記の知識がなくても帳簿記録が行われ、財務諸表が作成されると言います。「これだ!」と思い、早速ソフトを更新し、社員全員でその使い方について講習を受けました……

経理で悩んでいませんか

みろく太郎も最初は手探り状態でしたが、何度も講習を受けるうちに経営と会計データのつながりについて、理解できるようになってきました。「これはいい!」と自身の意思決定はもちろんのこと、社員にも会計データにもとづきながら意思決定をするように促すようになりました。

みろく太郎のように経理に対する知識が浅い、そのために他人任せにしているという社長は少なくありません。しかし、みろく太郎のように最新の会計システムや会計ソフトを導入することによって、苦手意識を克服することができます。経理の理解なくして、経営の向上は望めません。決算数値や月次の業績などをつかんで、取引銀行にも自社がどういう状況なのかを説明できれば、銀行の信頼も得られ、良好な関係を築けることでしょう。

関連リンク会計システムや会計ソフトについて知りたい方はコチラもご覧ください。
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