コロナで雑誌を置けず困っている美容院。書店が考えた、顧客と自社を救う解決策とは?
2021年3月13日
質問
雑誌を美容院等に卸している「ミロク書房」。新型コロナ対策で、多くの人が触れる雑誌をどうすべきか美容院が迷っており、このままでは納入先を失いかねません。あなたが経営者なら、美容院等に対して、次のうちどの提案をしますか?
パターン1
電子書籍に変えることを提案する。
パターン2
購読を継続する場合、当面の間、割引価格で提供することを提案する。
パターン3
雑誌を除菌するサービスを提供することを提案する。
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新型コロナで試行錯誤の納入先を前にして……
「ミロク書房」は美容院等を中心に、店頭に置く雑誌を納入している雑誌卸売業者です。
ある日のこと、ミロク書房の社長がある美容院の前を通りかかると、その美容院は、席を1席ごとに空けるなど、ソーシャルディスタンスを保ちながら、営業を行っています。
そして、その日の営業終了後、スタッフ達が話しているのが聞こえてきました。
スタッフA | 最近、お客様が少し、戻って来たわね |
---|---|
スタッフB | 一時期に比べると、よくなったわね |
スタッフA | でも、ちょっと気になっている事があるの |
スタッフB | どうしたの? |
スタッフA | 最近、お客様が、雑誌をあまり手にとられなくなったのよ |
スタッフB | 確かに。今日も、いかがですかって、おススメしたんだけど、結構ですって言われたわ |
スタッフA | やっぱり、多くの人の手に触れるから、心配なのかしら |
スタッフB | そうよね。カットくらいならいいけど、カラーとかまでするお客様だと、長時間かかるから、退屈されるわよね |
スタッフA | 雑誌にも毎月、お金がかかってるけど、読んでもらえないと意味ないよねぇ |
これを聞いたミロク書房の社長は思いました。
社長の心の声 | <このままでは、うちの納入先の美容院でも、いつ雑誌購読が打ち切りになってもおかしくない。どうしたものか……> |
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質問
雑誌を美容院等に卸している「ミロク書房」。新型コロナ対策で、多くの人が触れる雑誌をどうすべきか美容院が迷っており、このままでは納入先を失いかねません。あなたが経営者なら、美容院等に対して、次のうちどの提案をしますか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
電子書籍に変えることを提案する。
パターン2
購読を継続する場合、当面の間、割引価格で提供することを提案する。
パターン3
雑誌を除菌するサービスを提供することを提案する。
ミロク書房の社長が選んだのはパターン1でした。電子書籍を導入することを提案したのです。電子書籍を読むためのタブレットの除菌は簡単ですし、それ以外のメリットが見込めることも訴えたのです。どういうことかと言うと……
購読を継続することを条件に、当面の間、雑誌を割引価格で提供することも一つの方法かもしれません。しかし、除菌の問題は解決しないままであり、雑誌を読んでもらえない状況が続けば、いずれ解約されてしまいかねません。
雑誌の除菌をして欲しいというニーズがあるのであれば、新たに除菌サービスを提供することも一つの方法でしょう。しかし、納入先の各美容院に対して、雑誌の除菌サービスを提供するのは、大変手間がかかりそうですで、採算は取れそうもありません。
その手があった!
その日、ミロク書房の社長が帰宅すると、娘が買ったばかりのタブレットを見ながら母親と話しています。
母親 | どうしたの? 何か面白いことがあったの? |
---|---|
娘 | あっ、お帰りー |
母親 | 何を見てたの? YouTube? |
娘 | ううん。漫画を読んでたのよ |
母親 | タブレットで読めるのは知ってるけど、何か読む時、私は紙がいいわ |
娘 | そういう人もいるわよね |
母親 | 目が疲れない? |
娘 | 平気よ。最近のタブレットは性能がいいし、ブルーライトカットシートを貼ってるわ |
母親 | そう |
娘 | それに、場所をとらないからいいのよ。前は、本棚に入らなくなったら処分しなきゃ、って思ってたんだけど、最近は、その心配はないわ |
母親 | いつも、多すぎるから早く処分しなさいって、言ってたもんね |
娘 | そうなの。それに、外でも読めるし、帰宅したら玄関でキチンと拭いて、部屋に入る前に除菌してるのよ |
母親 | 確かに、紙よりも除菌は簡単ねぇ |
その様子を見ていた社長は思いました。
社長の心の声 | <タブレットはいいかもしれない> |
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この機会に納入先の美容院でタブレットに切り替えてもらえると、除菌も簡単です。また、場所をとらず、過去の雑誌をずっと読むこともできますし、同じ雑誌を複数人で共有することも可能です。
美容院のお客様向けに適した雑誌を見つくろって、複数の出版社から雑誌の提供を受け、これまで納入していない雑誌も含めて納入したらいいのではないかと考えました。そうすれば、これまでよりも読める雑誌の幅が、グンと広がることになります。
その後検討を進めた結果、タブレットの貸し出しもセットにして月額料金を設定するサブスクリプションの料金プランにして、納入先の美容院にタブレット導入の初期コスト負担が生じないようにするなど、美容院等に対してメリットの多いことが提案できると分かった社長。早速、美容院チェーンやその他の店への導入提案を検討すべく、スタッフ達に相談しまし、新たな展開が見えてきたミロク書房でした。
「サブスクリプション」
サブスクリプションとは、一般的に、定額課金をすることで、モノやサービスなどの利用権を一定期間付与するようなビジネスモデル(定額ビジネス)のことを言い、本記事の電子書籍の購読料もその一つです。なお、電子書籍の購読料を支払う側は、月々の負担額を「新聞図書費」勘定等で会計処理することが考えられます。
セミナー情報
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【LIVE配信】10月24日(木)13:30~15:30
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