手形発行の事務負担が重い! 負担軽減のためにとった改善策とは?
2019年1月13日
質問
洋食器製造業の「ミロク食器工業」は、仕入債務の支払手段として、主として約束手形を用いています。しかし、手形発行の事務負担が重いという大きな悩みを抱えています。あなたが経理部長なら次のうちどの対応をとりますか?
パターン1
支払業務の事務担当者を増員する。
パターン2
手形の発行を廃止し、すべて口座振込に切り替える。
パターン3
電子記録債権取引を導入する。
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支払業務の事務負担はすごく軽減されている!
「ミロク食器工業」の経理部では、月次決算など様々な事務処理がスムーズに行われています。仕入債務の支払関係の事務負担も以前と比較し大幅に軽減されているようです。
しかし数カ月前のミロク食品工業はそうではありませんでした。ちょっとその頃の様子を見てみましょう。
数カ月前 ~手形発行の事務負担に大きな悩みを抱えていました……
ミロク食器工業は仕入債務の支払手段として、現金払いと手形払いによる決済が4対6の割合でした。
ある日、経理部長と経理部員が話をしています。
経理部員 | 部長、うちは毎月平均50枚程度の手形を発行しているのですが、その事務手続きが面倒なんです。手形への宛先・金額の記入、印紙の貼り付け、押印、郵送準備等々です。手形は紛失する恐れもありますから、管理にはいつもストレスが溜まりますし…… |
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経理部長 | これまでの慣例で手形決済を行ってきたが、見直しの時期がきているかなぁ… …。考えてみると印紙税の負担も大きいよなぁ |
経理部員 | 印紙代を節約するため、あるいは取引先からの要請のために、同じ取引先に複数枚の手形を発行するケースもありますし……。他の経理業務も目いっぱい抱えているので、「働き方改革」で何か良い方策を検討して欲しいです! |
質問
洋食器製造業の「ミロク食器工業」は、仕入債務の支払手段として、主として約束手形を用いています。しかし、手形発行の事務負担が重いという大きな悩みを抱えています。あなたが経理部長なら次のうちどの対応をとりますか?
▼あなたの思うパターンをクリック▼
パターン1
支払業務の事務担当者を増員する。
パターン2
手形の発行を廃止し、すべて口座振込に切り替える。
パターン3
電子記録債権取引を導入する。
手形の発行・支払業務を担当する事務員を増員する方針もあるかもしれませんが、経理部の社員を必要以上に増やせば費用の増加につながり、あまり得策ではありません。
手形による決済は、傾向として、以前に比べて減少していると言われていますが、長年の商慣習もあり、全面的に廃止することはなかなか困難なのが実状です。また、口座振込とすると、予め現金を用意しなければならなくなり、資金繰りにゆとりがなくなります。
ミロク食器工業がとった改善案はパターン3でした。さて、それはどんな方法だったのでしょうか。
支払側にも受取側にもメリットのある決済手段があった!
ある日、経理部長は大学時代のサークル仲間の同期会に参加しました。学生時代の仲間は職業や勤務先は様々ですが、仕事やプライベートでの苦労話も、ビールを飲み、焼き鳥を食べながら、遠慮なくぶつけられる良き仲間です。経理部長は、その席上で例の仕事上の悩みを持ち出しました。
経理部長 | 最近、世間では手形取引が減少傾向にあると言っているが、うちの会社では、まだまだ手形決済が日常的なんだ。現金をすぐに準備しなくてもいいから、資金繰り上は都合がいいのだが……。部下に言わせると、手形発行に伴う事務処理は、いろいろと面倒で、神経も使うし、ストレスの源になっていると、不満を言ってくるんだ |
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サークル仲間 | お前の会社は、まだ紙の手形発行をしているのかい? いまのネット時代に、少し時代遅れになっているんじゃないか? |
経理部長 | そうかな……。良い方法があれば教えてくれないか |
サークル仲間 | それなら、電子記録債権取引を活用する手があるかもな |
経理部長は、サークル仲間から聞いた話を受けて、早速、「電子記録債権取引」の仕組みやメリットについて調べ、その結果、電子記録債権取引の導入が決まりました。 電子記録債権取引を導入した後のミロク食器工業では……。 |
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経理部長 | 導入当初は戸惑うこともあったが、最近はすっかり慣れたようだな |
経理部員 | 印紙の貼り付け、押印、郵送準備等々、重荷だった手形関係の事務負担が軽くなったんで、なかなか手が回らなかった例のプロジェクトに時間がさけるようになりました |
経理部長 | 支払事務がスピードアップしたよな |
経理部員 | 印紙税の負担も軽くなったんじゃないですか? |
経理部長 | そうだな。手形発行に伴う印紙税が不要になったし、事務負担の軽減なんかも考えると年間100万円近いコストの削減効果があったということか! |
電子記録債権取引のメリットがあったのは、支払側であるミロク食器工業だけではありませんでした。受取側にもいろいろメリットが生じたのでした。
【受取側のメリット】
① 電子記録債権で受領すれば、領収書も印紙税も不要となりました。
② ペーパーレス化により、紛失や盗難の心配がなくなり、手形保管管理など手形受領事務が削減されました。
③ 支払期日になると、窓口金融機関の口座に自動的に入金されるので、面倒な取り立て依頼の手続きが不要となり、手形決済事務が削減されました。
④ 従来の手形ではできなかった分割割引も、電子記録債権取引であれば、資金繰りの都合に応じて、必要な金額だけ分割して手形割引ができ、また取引先への一部譲渡も可能となりました。
古参の経理部員は、はじめのうちはかなり戸惑っていたようですが、重荷だった手形関係の事務負担が軽減され、社内に明るい空気があふれています。
今後、手形は次第に電子記録債権に切り替わることが予想されるため、取引先からの導入依頼にすぐに対応できる体制が整いました。またミロク食器工業が電子記録債権取引の利用が可能であることが取引先に周知されることにより、受注交渉もしやすくなりました。
「電子記録債権取引」
手形取引が減少する一方で、電子記録債権取引は徐々に増加してきています。その動向については以下をご参照ください。2017年「手形・でんさい」動向調査(2018年4月17日 東京商工リサーチ)
利用者登録数/発生記録請求件数等の推移(でんさいネット 統計情報)
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皆さまがコスト削減するにあたり、ぜひ参考にご覧ください!
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