ウィズコロナ、アフターコロナ。こんな時期だからネイルサロンが優先したこととは?
2020年7月13日
質問
新型コロナ感染症拡大の影響で客足が遠のいてしまったネイルサロン。今後もいつ感染症が再び拡大するかも分かりません。この状況で、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
パターン1
チラシや割引クーポン配布を徹底的に行い、とにかく来店客を増やすことを優先する。
パターン2
店舗サービスに加えて、オンライン等を使った新たなサービスも導入することを優先する。
パターン3
同時間帯に来店客が極力重ならないように人数を制限することを優先する。
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客足が少なくなったネイルサロン
「ネイルミロク」は、都心にあるネイルサロンです。ネイリストが何人もいる常に予約がいっぱいの人気のサロンでしたが、最近は新型コロナで客足が激減しています。
ある日の仕事終わり。店長とネイリスト達が話しています。
店長 | ネイルって私達とお客様との距離も近いから、マスクをしていても感染しないかととても心配だろうし、不要不急の外出は避けなければならないから、ほとんどお客様に来てもらえない…… |
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ネイリストA | なじみのお客様も不安がっているみたいで。今日電話で、前回のネイルが剥げてきたけどどうしたらいいですかって相談を受けました |
ネイリストB | しばらく来られないなら、中途半端に剥がれたままにしておくより、とりあえず、全部とってもらうしかないわよね |
ネイリストC | 次に来て頂けるのは、いつになるのかしら…… |
ネイリスト達の話を聞き、店長は何とか打開策がないかと考えました。
質問
新型コロナ感染症拡大の影響で客足が遠のいてしまったネイルサロン。今後もいつ感染症が再び拡大するかも分かりません。この状況で、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?
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パターン1
チラシや割引クーポン配布を徹底的に行い、とにかく来店客を増やすことを優先する。
パターン2
店舗サービスに加えて、オンライン等を使った新たなサービスも導入することを優先する。
パターン3
同時間帯に来店客が極力重ならないように人数を制限することを優先する。
チラシや割引クーポン配布を徹底的に行い、来店客を増やすことが考えられます。しかし、今後もいつ感染症が再び拡大するかも分からない状況では、人が集まる店でサービスを受けることを不安に感じる人もおり、多くのお客様に来てもらえるとは限りません。また、万が一第2波・第3波が訪れたときは、再び客足が遠のいてしまうおそれがあります。
ネイルミロクの店長が選んだのはパターン2でした。オンライン等を使った新しいサービスを導入したのです。お客様が自宅でネイルや手をケアできるセルフネイルキットの販売やレンタルを行うのと同時に、オンライン上で、それらについてのアドバイスを動画またはリアルタイムで行うことにしたのです。何故かというと……
同時間帯に来店客が極力重ならないように人数を制限する。これも一つの方法かもしれません。しかし、来店客が少なくても、店舗代などの固定費はかかります。また、ネイリスト達の給料も発生するでしょう。そのため、客数減の状況が継続したままでは、採算を確保することは難しいでしょう。
感染症に対するお客さんの感覚はまちまち!?
ある週末、ネイルミロクの店長は自宅で、何とか良い打開策がないか考えていました。
そのとき、ふと、数カ月前のことが頭をよぎりました。足を怪我した娘がキッチンでお菓子を作っていたときのやりとりです。
店長 | お菓子を作りたいなんて、珍しいわね |
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娘 | だって、外に遊びに行けなくて退屈なんだもん |
店長 | それにしても、何か作るなんて、これまでになかったでしょ |
娘 | 最近は友達の間でも、自分で工夫して何か作るって流行ってるのよ |
店長 | まぁ、家の中で、できるだけ楽しめることを見つけなきゃね |
娘 | お菓子は作ったことないんだけど、ちょっと調べてみたら、こんなサイトがあって、かわいらしいお菓子がいろいろ載ってるの |
店長 | ふーん、そうなんだ |
娘 | オンラインで作り方を教えてもらえて、必要な材料も買えるみたい。だからママ、これ注文して、お願い! |
こんな娘とのやりとりを思い出した店長。
店長の心の声 | <あのとき話の出ていたオンラインでのサービスって、今のネイルミロクに持ってこいなんじゃないかしら。来店して頂かなくてもできることはあるんだ!> |
---|
これを機に、ネイルミロクでも、来店客が減っても別の収入源を確保するために、来店頂かなくても提供できるオンラインサービスができないかを考えることになりました。
ネイリストA | こんな時期だから、ネイルはちょっとというお客様だったら…… |
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店長 | 爪の清潔な保ち方なんかに関心があるんじゃないかしら |
ネイリストB | 確かにそうですね。あと、外出しないときでもネイルでストレス発散したいってお客様もたくさんいらっしゃいます |
店長 | ネイルのための材料の提供とオンラインでのアドバイスができるかもしれないわね |
こうしてオンラインサービスの検討を進めていきました。感染症に対する感覚は人によって違うので、すぐに来店を考える人もいれば、来店に消極的な人もいます。そこで、来店してのサービスと来店しないでのサービスとを並行していけるように、サービスの選択肢を設ける検討を進めたのです。
その結果、まずはネイリスト達に、個人でもできる、ごく簡単なネイルのデザインを考えてもらい、そのためのセルフネイルキットを販売またはレンタルすることにしました。ネイルのデザインは、毎回同じとは限りません。そのため、各デザインに合わせたキットの販売だけではなく、1回ずつのレンタルも需要があると考えたのです。また、手やネイルのベースケアのためのハンドクリームやオイルなども販売することにしました。新型コロナで手を洗うことも多く、手やネイルが荒れている人も多いと考えたからです。ベースが整っていないと、キレイなネイルはできません。
それと同時に、各デザインについて、実際の塗り方をネイリストが実演しながら解説した動画も配信することにしました。お客様は、その動画を見ながら、セルフネイルキットを使い、自分でネイルをするのです。さらに、より具体的なアドバイスが欲しいお客様向けには、リアルタイムでのオンラインアドバイスや、録画したネイルの様子に対するアドバイスといった、有料サービスも始めました。それにより、プロであるネイリストに見てもらい、実際にアドバイスを受けながら、自分でネイルをすることもできるようになると考えました。
店長の試みは、これからです。こういう時期だからこそ、新しいサービスにも挑戦してみたい。店長はそう考えています。
「サービスの選択肢」
従来、顧客に来店してもらい対面でサービスをしている業態も、オンラインでのサービス提供などを導入することで、来店したい顧客・来店したくない顧客のどちらにもサービス提供の選択肢を設けることができます。こうしたサービスの選択肢があれば、既存顧客のつなぎ止めにもなりますし、新規顧客の獲得につながる可能性があります。
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